Woody Rock
"Soul Music"
「生みの苦しみ」の結果
[2002/07/28]

「生みの苦しみ」というよりも「すったもんだ」かな? ホントこのアルバムを届けるにあたって色々生じたと思う。
メンバーの一人がソロ活動をしたいと言いだす → 動揺するメンバー → テレビ出演等で全員が揃わなくなる → 形を整える為?全員がソロ活動と発表 → 「音楽性の相違」と発言
どんな音楽ジャンルでもある事なんだけど、1番納得いかないのは「音楽性の相違」です。こんなの「価値観の相違」を理由にあげるカップルみたいなもんだよ、ホント。同じ人間じゃないんだから、相違があるのが当然じゃん。それを踏まえた上でのグループでしょ。今更そんなの持ちだされてもなぁ・・・大事な価値観が合ってるからこそのグループじゃないの?って、まあ自身の恋愛経験は横において思ったりする訳なんだが。

Dru Hillの中でWoodyが1番ニュアンスが違っていたのは、処女作の頃からだった。明らかにノリが違ったもんなぁ。Sisqoは当然として、「意外とダンスが上手いJazz」、「ねーちゃんあっはーん inオープンカーなNokkio」とビデオクリップで見ると一目瞭然なんだよね。けど、昔、5 Stepsのビデオを見ていてSisqoとWoodyの声質が似ている事にびっくりした。1番影が薄いWoodyだが、「そこそこやるじゃん」って思っていたのだが。

Dru Hillのソロ活動だが、華々しくソロ1作目を発表したSisqo。けど、バカ売れしすぎたのもあって、余計にグループから眺めるとチグハグ感が増したと思ってた。元々Sisqoが目立っていたグループだったけど、それが極限まで行っちゃったから。唯一の救いはそのSisqoが何よりもDru Hillを優先していた事。それがやり過ぎちゃって彼の2作目はセールス的にもコケたんだと思う。個人的にも「Sisqoの人の良さは分ったけど、アルバムはイマイチ」だったから。

そんななんなで、他のメンバーのソロ作はもちろんDru Hillとしても今後の活動に不安を抱いていたのですが、Woodyが「ソロ活動」と言い始めた理由を知って、納得したのも事実。そりゃ「Mamaの鎮魂の為にゴスペル・アルバムを作成したい」と言われたら、誰だって同意するでしょう。そこで反発する方がグループとしても間違ってると思う。だからこそ、余計に「塞がれた彼ら」に悲哀感を感じてた。

数ヶ月前、Jazzのサントラ収録曲を聴きました。ホントMusiqっぽい手触りで、Jazzの新たな面が出てたと思う。それが物凄く嬉しかった。だからこそ、さてさてWoodyの作品は? とずっと気になっていました。そしたら昨日、たまたま店で発見したので即購入。このジャケットにも惹かれたんだよね。R&Bとしては珍しいショットだと思う。"Soul Music"なんて恐れ多くてつけれないタイトルだが、このジャケットならOKじゃないかな。それもあってこのジャケットを想像しながら聴き始めたのですが、なんとびっくり。正反対で力強いアルバムになってました。

Dru Hillとしてもネクストレベル
これをダイレクトに伝える一曲目からナイス。Sisqo&Jazzの2Topでなく、Sisqo&Woodyでもイケル吼えっぷり。Sisqoのシャウトもネクストレベルに行ったんじゃないかな。ホント、良かったね。ソロ2作目が失敗しただけの器の大きさが出てると思うよ。ベタな喩えなら「雨降って地固まる」だよ。2曲目はCase、5曲目はMary Mary、11曲目はRuff Endzとゲストも豪華だしね。

Woodyに共感した周囲
この構図がアルバム全体を貫いてる。あくまで主役のWoodyだし、"Heavenly Father"という言葉がダイレクトに響くのもナイス。ボーカリストとしてもイイ思いマス。ホント、ゲストで持ってるアルバムじゃない。
何よりもWoody自身の一本気があって、聴いてると気合をくれる。


「初志が良くても悪い結果になる事もあれば、初志が悪くてもよい結果になる事もある。それが政治だ」って以前、どっかの政治家のコメントを読んだ。かなりブルーになった。

けど、このアルバムは「初志が良くても、途中はかなりすったもんだもあったけど・・・最終的にメンバー全員にとってよい結果になった」って事でしょ。これはもう≪R&B的道徳の教科書≫追加決定だね。



個人的にはBeliverをセレクト。この曲調を、アルバムの雰囲気にマッチさせた所がナイス。ゴスペルインタルードの次ぎにあるのも納得です。Dru Hillの初期のフェーズがもう1歩進んでる。ここら辺にアルバム全体の完成度の高さを感じる。
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