Tashawn King
18の頃に<この声>があったらブイブイ言わせたのに(笑
[2004/05/29]

別にインディーだろうがメジャーだろうが気にしてないけど、HMVとかで買えないアルバムはあまり紹介したくない面はあった。「R&Bにちょこっと興味」という人は「専門店に足を入れるのはちょっと」って思うだろうしさ。けど、このアルバムは別格です。ここで取り上げざるを得ない程の声をしてるから。声が優しい男性アーティストは本HPの中でも人気コンテンツだが、あれは「そろそろそちらの方に歩いていきたいなぁ」ってあの頃思ったから。25歳を越したら、ちったー声も優しくならないと。そしたらその2,3年前から目標を明確にして聴き始めないと。(って、後からならどれだけでも言えるなぁ・・・ただただ自分より年下のJaheimが優しさが衝撃だったからです)
けどさ、

20歳以下で優しい声なんて必要ねーよ
とは男性陣の総意になるのかな? 個人的にはなると思ってます(笑 泉山女史もこちらについてくれると思ってます(爆 で、なぜか、「優しい声で吼えるのは不可能」なんだよね。これは全員の総意になるのかな。けど、当たり前に思えるけど、実は道があるんじゃないかな?って思う時がある。

「シャウト」と「穏やかさ」は背反なのは正しい。そして一般的には「優しさ」と「穏やかさ」は限りなく近い。そして、「若い頃から穏やかな必要はみじんにない」とは思うんだよね。そしたら道は無くなる。それじゃあ困る。だから、「優しさ」と「穏やかさ」のリンクだけは切る事が可能だと思ってる。ずっとそう思ってた。

激しい優しさ
うーん、一歩間違ったら<三流小説行き>なフレーズだぞ。「彼って(夜は)激しい優しさなの」って、うーんそれはヤバイ(笑 こんな台詞を友達にいった女性は、どんどん友達少なくなってく気がするぞw それとも友達も気になっちゃって「ああっちょっと体験してみたい」とかになって、そのままKelly Priceに直行とか。うーん、そういう意味では凄い言葉だ。
だから「激しい優しさ」が達成したいの?って言われるとちょっと困る。さすがにそこまでじゃない。ただ、「ブイブイ言わせる優しさが欲しい(爆」 というのはギャグですが、若い頃に穏やかである必要は無い だけかな。

こういう不可能的な問題を考えようと思ったら、やっぱり地面に足をつける必要がある。自分の地面はJodeciの2作目からなんだよね。だからやっぱり過去の偉人もいるれど、体で知ってる90'S以降のシャウターから考えてみたいです。

まず最近ではTransitionsLiberty Cty flaでしょう。両者とも2作目を作れてないのが今のR&Bの現状だと思う。そこに不満大。別にHip-Hopが嫌いな訳じゃないけど、歌の中で吼えて欲しいとは思うから。R&Bが妙にまとまった音楽ならば、絶対に若い男の子は聴かなくなるぜ。

で、Transitionsのリードの吼えっぷりは最高だけど、やっぱり一番いいのはStraight F***ingでしょう。歌詞の割りにエロさはない。逆にこの裏ジャケのようなやるせなさが多くて、女性には届かないと思う。F***ingに対してひねってるというか、「欲しい」というストレートじゃない思いがドライブ要因な気がする。それをストレートに出してるから、男性側から見てもちょっと異色。個人的にはかなり好きだが、あまり一般的じゃないかもね。

逆にLiberty Ctyのリードの吼えっぷりは「おちゃらけさ全開」としかいいようがない。こんな男友達がいたら、こちらの人生まで楽しくなるけど、女性陣からは距離を空けられちゃうだろうネ。男側から見たら「こんだけイイ奴はいない」ってタイプなのに。女性の側に一歩行ったら、向こうが1歩下がる。そこで何も気づかずにもう1歩。女性ももう1歩。これを三回ぐらい繰り返してやっと「あれ?」って「お前気づくの遅いよ」って横から突っ込み入れたくなるタイプなんだよなぁw
ということで、第一線に立てなかったアーティストには、アーティスト側にもそれなりの理由があるとは思う時がある。

で、Sisqoです。間違いなく第一線のアーティスト。そんな彼は「子供っぽさが見え隠れしてる」のが、何よりも売れたポイントだと思う。これがあるから女性陣も側に寄っちゃうんじゃないかな。「憎めない奴」ってのも大きな点だしね。Dru Hillの処女作では5 StepsやAll AloneでSwearな面を見せていたのも大きい。なんやかんやで自分の中でも大きな位置づけだしね。

最後は当然 K-ciです。間違いなく90'SのシャウターとしてTOP。K-ci&JoJoとして返り咲いたのも大きい。けど、そんな彼だけど、このTashwan Kingを聴きこんだ後に一つ分かったことがある。

誰も寄せつけないシャウト
そんな気がする。誰よりもエロい歌詞を歌っていながらも、オーバしなかったのはその声の表情じゃないかな。あの細い体から孤高のような吼えっぷりをする。とまで言えば誉めすぎになちゃうかな。やっぱりBobby Womackとかのような声の幅を感じないんだよね。声が空間を占める体積は以外に小さい。と改めて思った。なのに文句なしのシャウト。やっぱり別格です。そして、あそこに女性の入る余地はないよ。だからこそ彼こそが真のNo1なのかもね。一番、彼の身近な感情を感じるのはFee Fie Foe Fumだけど(MaryJ.とのデュエットはさすがに横においておいて)、あそこじゃ自分の事は棚に上げて怒ってる。そこも、さすがというべきか。

ということで、全然Tashawn King本人が出てきませんが、やっと俯瞰が終わったので、そろそろですw

何故なのか、自分自身でもちゃんと説明できない事ってあります。恋愛も突き詰めれば100%そうだしね。そして、今まで沢山のシャウターを聴いてきたけど、不思議と「18の頃にこの声があったらブイブイ言わせていたのに」とは思わなかった。だから、憧れていても「ホントとの意味では自分の人生とは重ならない」って奥底で気づいていたのかな。
結局、

ここまで俯瞰してきたように、「シャウトと優しさ」という面では惹かれてなかった
もちろんそれをネガティブに思ってた訳じゃないよ。シャウトと何を求めるかは人それぞれだと思うから。自分はあの時以来、シャウトと優しさが重なる地点を求めてたから。

そんな意味では、このTashawn Kingが一番近い場所にいる。そんな吼え方をする。始めて聴いたとき、「ああぁ、ずっとこれが欲しかった」って思ったから。素で奥底に泣きのある声をしてる。泣かなくちゃいけない事が今までの彼の人生に生じた訳じゃない。それを奥底に隠してる訳じゃない。そういうのは聴けばすぐに分かるよ。誰でも側に行けると思うから。だから、やっぱりTashawn Kingは素だと思うな。K-ciが素であんな孤高のような吼え方をするように、Tashawn Kingは素で泣きがある。激戦のシャウター業界の中ではシャウト以外のこんな何かが必要なのかもね。

もう一つ、彼に惚れた点。
4:Make It Officialの底抜けの明るさ。こんな明るさは俯瞰してきた4名とも持ってない。K-ciは女の娘の前ではしゃぐだけだしw、Sisqoの本当の明るさは奥底にあって普段はペルソナ作ってる。the Transtionsのリードも明るさは見せてないし、Liberty Ctyのリードはギャグが入っちゃう。だから。このTashawn Kingの明るさは確実に女性に届く。断言できるな。

優しさが何から生まれるのか分からない。けど「泣き」と「明るさ」から生まれると言われたら、納得できる面はあるんだよね。もちろんCurtisの<硬質の優しさ>はもっと違う事から生じていると思うけど、やっぱり泣きと明るさから一つの優しさは生まれる気がするや。

結論:
道は長い。シャウトと優しさが重なる地点がこの世にあるのか、未だ自分は知らない。知らないうちに25歳を越してしまったw けど、18の頃にこの声があったら、駆使して?自分自身で探しにいけた。そう思わせるだけの声。Tashawn Kingの声はシャウトと泣きを<素>で達成してる。そしてホントに明るい曲もある。だから、Tashawn Kingが一番近い地点にいると思います。

ということでこちらから検索していただければで聴けます。CD Babyは視聴曲が長くて、かなりリスナー側に立ってると思う。ナイス!!

PS
もちろんJaheimがアクティブな色気を出せるようになるのも答えなのだけど、酷いことを言うけど、無理だと思うな。それは彼の曲の中で一番UPなJust in Caseを聴いて、PVを見て思った。このフェーズでもここまで笑顔なのか!!って驚愕したから。男が若い頃に覇気を持つとすれば、その全てを「ビタ一文こぼすことなく背負い切る」のに使ってしまった感がある。


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