R Kelly
"Happy People / U Saved Me"
努力が裏付けする素直で穏やかな自信
[2004/10/10]

去年のChocolate Factoryは傑作だった。だから息継ぎ無しに発売された本作はそこまで期待してなかった。最初に聴いた時は同じ方向性で曲調も似てるしなぁ、、、って思ってた。けど、週の半ばになんか寝れなくて深夜2時から聴き込んだら一気に霧が晴れた。なんかどうしても寝れない時に、CD棚に手が伸びる。聴くべきアルバムを聴くべき時期に聴かないから寝れないのだろう。そんな時ほどむしゃくしゃした気持ち抱えて、あれでもない・これでもないって棚を引っかき回すんだけど。ホントなら今週は「R Kellyの新作は前作からの延長線上なので、Latelyは無しで」って書くところだった。


前作の成功によって、やっと彼が自分自身に自信を持てた
このアルバムを包む明るさから自信を感じる人がどれだけいるか分からない。けど、霧が晴れたと思った瞬間に、彼の今の自信が飛び込んできた。なんか素直で穏やかだけど、やっぱり自信なんだよね。「自信」ってあんまりいい意味で使われる事が無いと思う。「自信過剰」という文脈で語られる事が多い。けど、人が生きてく為には、最低限の自信は絶対に必要だから。だからこそ、僕らはイイ自信と悪い自信を見分けなくちゃいけない。
もちろんR Kellyも以前から自信を持ってた。デビューアルバムと12Playであれだけメジャーになったしね。けど、それは「売ろうと思えば、売れるアルバムを作れるんだ」っていう面が強かったし、結局、売れた事によって彼自身も失っていくものがあった。だから、こういう自信は本当の答えじゃない。

周囲を萎縮か緊張か反発させる自信は、どれだけ持っていても真の意味は生めない
売れた枚数によって周囲は黙ってる。けど、それは黙認であって、受け入れられた訳じゃない。そうやって周囲を押し切って作った空間:territoryは、正直に見れば誇れない。本当の居場所にはならない。R.はそれを受け入れた地平線。突き詰めるほどに「真の意味では、俺の居場所は何処にも無くて、このアルバムだけなんだ」って言ってたから。だから、僕はあんなに聴きこんじゃってた。

Chocolate Factoryでは、まだ彼自身の躊躇いや不安が感じれた。「こんなに素直な面を出して大丈夫なのだろうか? ちゃんと受け入れられるのだろうか? また酷く傷つくだけなんじゃないか?」って。だから聴き込む人はこちらに書いた曲を気に入ると思うけど、そこが全開になった訳じゃなかった。けど、本作では全開になってる。ジャケのポーズもその通り。相変わらずのグラサンは文句大だが、U save Meの方の髪型は疑問だが、トータルとしては悪くない(全身ジャケコーナINは迷ってるが)

未だHappy Peapleしかちゃんと聴きこんでないけど、これだけで書く価値があると思ったので書きますね。U Save Meの方は今日からガンガンに聴きこみます。こちらの方は、曲の間に彼の言葉が入ってて、全曲を一つの曲として楽しむことがある。駄曲が無くて、全部がすんなり聴ける。だから12曲であってもかなりお腹いっぱいです。2枚組みでなく本作だけでも十分な位に。そして全曲が前作のStep in the name of love Remixからの発展形とも思える曲に仕上がってる。だから慣れてないと全部同じに聞こえちゃうかもね。


1:Weathermanはタイトルが謎。天気男?って誉め言葉じゃない気がするが、曲としてはあくまで入口に相応しい明るい曲。2:Red Carpetから前作の最高レベルが出てる。同じくstep name of loveって言ってるしね。そのまま切れ目無しに3:Love Singalに繋がる。何度も出てくるSo many Peopleがフレーズが印象的な曲。
ガツンと来たのがUPの4:Love Streetです。R KellyのUPの曲って何年振りだろう。処女作のShe Got's the Vibeに連なる曲です。出だしの音がカッコいいんだよね。最近、こんな素直で明るいUPって聴かないなぁ。やっぱり若者が素直さを保ったまま生きるのが難しい世の中になってるからかな。だからこそ、R Kellyのように生まれかわったかのような脱皮を遂げた大人だからこそ歌えるのか。この曲を届ける事が出来たのが、前作からの歩みを示してる。

5:Ladies' Nightはバックの音がナイス。6:Ifからちょっと雰囲気が変わる。全部が同じ雰囲気のアルバムだけど、聴き込むとここで色合いが変わる。6:Ifは二つを綱ぐ曲。そして曲間でのバックの賞賛とともに、7:The Greatest Show on Earthが始まる。この曲がこのアルバムの中で最高でしょう。断言できるな。Marvin Gayeのレベルまで行ってる。泣ける。

この曲によって、やっと本当の居場所ができた
それを実感させてくれる。この寛ぎと感謝に満ちた祈りが全ての扉を開いてる。バックコーラスや曲の構成もピカイチだしね。この先、何十年も残る名曲になってる。R Kellyの達成した光としては最高なんじゃないかな。プロポーズの時にバックで流す曲として、かなりお勧め。 「俺は色々とアホだったけど、お前となら此処まで来れると思うから」って。
9:Steppin' Into Heavenはタイトルから凄い。


Step Step StepでとうとうHeavenに行っちゃたw
確かに、このアルバムの裏打ちがあれば言葉倒れに終わらないよね。小学校の道徳の何が気に食わないって、主人公は生まれた時から人間できてるんだよね。そんなのありえねーーーって誰でも思うだろうに。 それよりもR Kellyの人生のようにエロに走り、幼女に走り、最後の最後はStep Step Step Heavenって方が感銘度数は高い。もちろん今のR Kellyの達成した地点を素直に受け入れれない人は大勢いると思う。Sparkleとか死んでも無理だろうし、それはそれで当然だと思う。それだけ言葉に出来ないような色んなことをやってきたと思うから。結果がよければ全てよしなんてのは、この世は金だっての大差ないと思う。だから彼の今までの全てを肯定してる訳じゃない。けど、全てを肯定できる人なんて、そんなにいるのかな? 肯定できないような境遇の子供は、その時点で偽善と欺瞞しか感じないと思うから。

道が最高度数まで行くと、よく道徳の教科書INって誉めるHPだけど、R KellyやMaryJ.を日本の道徳の教科書に採用される運動を始めたい今日この頃。なんといっても、R Kellyがここまでの曲を作れたのは、「最終的に相手のせいにはしなかった」って事だと思うから。

どれだけ落ち込んでいても、どれだけ暗くても、そんな点は無かった。それがR. の一番好きな点だった。やっぱり「俺は悪くない」って言った瞬間に人生は終わると思うから。後は、生きてても死んでても変わり映えのしない人生しかない。そういう志向性はあの時にあのアルバムを聴き込んだことでやっと自分の核にできた。R Kellyが逃げてないのに、それより軽い自分が逃げる訳にいかない。あのアルバムが無かったら、苦しすぎて逃げたかもなぁ。とりあえず、友達と一緒にナンパに走ってたかもw だから、誰よりもこのアルバムは嬉しいです。前作では「幼年時代のやり直し」って書いたけど、本作はその先に来てる。それこそが、「努力に裏付けされた、素直で穏やかな自信」なのだろう。それこそが親が子供に伝えるべきことで、それ以上を強制するから世の親子関係はおかしくなるんだよ。まったく。


Step Step StepでHeavenに行けるなら、Japanにもこれるよね♪
大の飛行機嫌いってのは知ってる。けど、そろそろ日本に来る時期だよ。皆待ってるよぉぉ。それが、このアルバムの一番の結論です。どうせなら、船で世界一周しながら各地に立ち寄ってコンサートするってどうかな? 今のR Kellyにぴったりだと思います!!


うーん、なんか最近自分はR Kellyの尻にのかって調子にのってるなぁ。「逃げる訳にはいかない」なんて、そんな綺麗な話じゃないです。ため息出ない位にアホだったし、信頼も裏切ったし、イイ事なんて目を凝らさないと見つからない。そんな大学6年間だったです。
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