R Kelly
"TP-2.COM"
目標達成→喪失後の自己肯定
[2003/08/30]

このアルバムが傑作じゃないのはコンセンサスだと思う。自分も聴いた当初からそう思ってた。けど、この激ストレートなジャケットには発売前から気に入ってたんだよね。中身よりジャケットの方が良いってことは余り無いと思う。あるとしても、そんなジャケットの場合はデザインに凝ってるものしかない。このジャケットは真正面から向き合って訴えかける視線だから。意志の強さと哀しみがある。そんなジャケットなら中身も傑作だと思ってた。なのに、やっぱり本作は傑作じゃない。

かといって、駄作とも思えなかった。自分にとっての駄作ってのはRhonaKandiのように責任をお互いになじってるような作品だったから。R Kellyは全部を1人でやってるのだから、これに該当する訳は無いし・・・ どうしようもないエゴに溢れてるなら分かるけど、このジャケは違う。曲もそう。声の表情は悪くない。けど、ずっとずっと聴き込む気になれなかった。

そもそもタイトルの時点で人を馬鹿にしてると思ってた。ギャグで行くならとことん行けばいいのに、ジャケは正反対。分裂してるよ。何よりも、本作の前の"R."が傑作すぎたから。だから期待してない面もあった。そんな意味ではこちらも色々と混乱してたし、R Kellyも混乱してて、全く言葉が出てこなかった。けど、今年 Chocolate Factoryが発売されて、両作の間にある本作を改めて眺めてみて、やっと伝わってきた気がした今日この頃です。

"R."が受け入れられて、やっとR Kellyはこの世に生まれてきてよかった、、、って思っただろう
「シングルカットした心意気は分かるけどHITは無理だろう」と思ってたあの頃だったから、ヒットしたのを見て、ずっとこう感じてた。R Kellyはあの作品で真の目標を達成したんだと思う。その前にグラミー賞とか取ってるけど、それは人生の目標にはならないし、それを目標にしてたら大成しないでしょう。そんな彼の達成感は、裏ジャケのポーズに出てるンじゃないかな。Hip-Hop世代じゃないからあんまりズボンを下げてはくのは嫌いなんだが、これはかなりナイスだと思うしね。無造作にタオルを持ってるポーズが余計に感じるのかも。

そしてやっぱり、R Kellyは新たな目標を見つけれてない。だからこんな顔してるし、中ジャケも眉間に皺がよったり瞼に重さを抱えたりしてるんだよネ。そんな両極端な面が全ての曲に入っていて、どの曲もクリアーにならない。どうせなら曲自体は一つの想いをこめて、アルバムの前半と後半できっちり分けてくれればよかったのにね。けど、そんなに人は器用じゃないということか、、、、それはかなり同意します。

12:I Wishがヒットしなかったら、どうなったんだろうね。さすがにどれだけダメダメなアルバムを作っても一作で退場するレベルじゃないか、R Kellyは。 RemixのPVで雲の上に行って神様と話してたのには、さすがに開いた口がふさがらなかったが・・・

R Kellyが自分自身の部屋で流してるアルバム
酷く言えばこんな感じです。別に両極端の気持ちが詰まっててクリアーなってないのは構わない。そんな時は人生一度はあると思うから。けど、このアルバムは、ガンガンに聴き込むのをモットーにしてるP2S2H2でもパス。なぜかって、なんか奥底に自己肯定があるんだよネ。そんな気がどうしてもしちゃう。奥底に哀しみや叫びがあるなら、もちろん聴き込みます。けど、違うと思うな。この自己肯定の奥底までは特に浸ろうとは思わない。今の時点で、その理由をはっきり言えないけど、そうとは思えないです。いつかそんな日が来たら(って来て欲しくない気もするし、自分にはやってこないとも思うが)、追加しますネ


Chocolate Factoryの後にどんなアルバムを届けるのかは、分からない。結構ブレの多い人だと思うから。けど、本作みたいなのは止めた方がいいと思います。ただ、R Kellyのファンには確かにこのアルバムも聴いて欲しいかも、、、、



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