Michael Jackson
"OFF THE WALL"
真正面から女性を求めてる
[2006/04]

このアルバムは以前から持ってました。R&Bの歴史を追っかけようと思ったら外せない作品であるのは確か。哲章さんのBasic R&B Libraryにも入っているしね。けど、この頃の時代の雰囲気や明るさについて行けず、一度聴いて棚の奥にしまってあった。。最近はそれじゃあマズイと思って、苦手な曲ほど携帯プレイヤーに入れて聴いてます。先日、大阪出張で仕事終わって道頓堀でたこ焼き食べて、戎橋とか歩いてたら、このアルバムのノリと絶妙にフィットした(笑 けど、聴けば聴くほどHITした曲じゃなくて、このアルバムタイトル曲に注目しちゃうんだよね。結局、帰りの新幹線の2時間半の間、この曲だけをえんえんとリピートしてました。そして久々に文句をつけたくなった。

ちゃんと取り上げろ!!

皆が語るアルバムなのに、誰一人この曲にコメントしてない。誰かが取り上げていたら、もっと早くから聴きこんで、あの時の失敗が無くなったのに・・・。誰も取り上げないようなマイナーな作品ならしょうがないけど、これだけメジャーな作品だと、はっきり言ってかなり怒りがこみ上げてくる。「あのさ、一つ言いたいのだけど、本当にマイケルのこと好き?本当にマイケルのこと心配してる?」って。

確かに今まで取り上げたinvincibleせよin the closetにせよ、「あんたの感性の方がオカシイ」と言われたら反論できない。本HPのマイケルジャクソン像に納得してくれる人は少ないかもしれないけど、その人のために書いておく。本作の、それもタイトル曲だけが、マイケルの本当に真正面から女性を求めてる感情が出てる
だから


◆ 最近、女性へ何を求めていいのか分らなくなってきた。。
◆ うちの彼って、あんまりそういうことが嫌いなのか、浮気してる風でもないし。。


こんな男女以外には絶対に縁がないと断言しておきます。けど、こんな人は本曲を聴き込むのをお勧めです。こういうタイプの人は普通のR&Bのエロい曲を聴いても余計に酷くなるだけだから。「年下の男の子」が対象というマイケルの、唯一の真っ当な曲だからこそ、聴き込むほどに価値が出る。

In the closetは「救って欲しい」のレベルまでいってるから、聴きこんで治るのか分らない。個人的に競演したナオミ・キャンベルの責任は重大だと思ってる。Usherと浮名を流す暇があったら、この時に浮名流しとけって感覚かな。invincibleにもイイ曲があるが、あれは別れた後だから。そんな意味では、本作だけが絶妙な位置にある。その後のBADとかまだちゃんと聴きこんでいないから断言できないけど、整形がどんどん進むから無理でしょう。

まるで黒人らしい顔を失うごとに、女性に対する真正面の気持ちを失っていったようで・・・

だから、後の作品には期待してない。これより前の作品は若すぎてダメだと思う。けど本当のことを言うと、サビをバックコーラスに任せすぎていると思うな。本人だけの多重録音にすべきだ。そうしたらUsherみたいに「他の女の子とも遊びたいから、お前と結婚しない」ってな状態になったのにね。今の状態に比べたら、そちらの方が100倍マシだと思う。そのどちらかしかないというのも極端すぎるが、大スターになったらそういうモノなのかもね。

リチャードソンみたいな台詞を大スターになっても言えれば凄いのだが、それは無理だと思ってる。それをやろうとしたTyreseは潜在的な大スターの素質があったのに、挫折の道を歩んで行った。逆にリチャードソンはあの台詞をちゃんと言えるからこそ大スターになれないと、そう何処かで思っているのも事実。大スターになろうと思ったら、普通は差し出さない部分まで犠牲にしなくちゃいけないのかもしれない。。


雑学知識によれば、結婚後の性生活の不備は離婚の原因として認められたような。そういう理由で妻が夫を訴えて、夫が負けた判決があった気がする。「浮気」か「全くなし」かも極端だけど、30過ぎて「仕事で疲れているんだよ」で直ぐに寝てしまう旦那を変えようと思ったら、本作を買うのがお勧めなのかも。まあ、問題の根本にあるのは、性的欲求のピークが男女で10年ずれていることだとは思うけどね。


深刻なのは若い頃にこの曲を聴きこまなくちゃいけない男性の方です。あのふっとした混乱感は色んな感情をトコトン突き詰めるとやってくると思ってる。イメージ的に言うと、イソップ童話の「金色の斧、銀色の斧」みたいな感じかな。有名な童話だから知ってるよね。湖に鉄の斧を落とした樵に女神様が「お前が落としたのは金色の斧、銀色の斧?どちら」って話。あれと一緒で、なんかの拍子にふっと湖に落としちゃって、女神様が出てくる。「お前は本当に好きなのか?したいのか?どちら」って。そこで、「正直どちらか分らない。両方な気もするし、どちらでもない気もする」って答える。童話では正直な樵は金色と銀色の斧を両方もらえるのだが、世の中はそんなに甘くない。「じゃあもっと見詰めなさい」って言われて、「えっ、ちょっ」って感覚。一体、何名がこんな感覚を持ってるのか分らない。マイケルやR Kellyみたいにズレてなくても、なんか違う人はいる。ふっと湖に落としちゃう感覚で。

それが1人の時ならまだマシなのだが、それで相手を傷つけるのは完全に間違ってる。そんな男性のそんな時ほど、こんな曲のみが側に来てくれると思う。だから多重録音もイマイチだと思ってる。せっかくの傑作なのにね。根本的な所でマイケル自身の全開を達成できてない。一番の部分をバックコーラスに任せているから、マイケルがひとり立ち出来てない。たとえマイケルが嫌がっても、この曲だけは彼自身に全て歌わせないと。

もちろん一番悪いのはマイケルです。マイケルの今の表情はそれを認めてない気がするが、整形しすぎでもう分らん。けど、このOff The Wallはホントにいいよ。今のマイケルから振り返ると、この曲のためだけに聴く価値があると思います。



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