Kenny Lattiomore
"Weekend"
色あせない爽やかさ
[2003/01/18]

世の中に「追っかけたい憧れ」「絶対無理と分かる憧れ」があるとするならば、Kenny Lattimoreは自分にとって「絶対無理と分かる憧れ」の最高峰です。処女作についてはこちらで書きましたが、

人生を貫通するような爽やかさ
この志向性で彼以上の歌手を私は知りません。それ位に凄いものがある。ジャケットセンスもいいんだよねぇ。エリック・ベネイやトニー・リッチと比べても、彼の事が一番好きです。この爽やかさと「押し気の色気」は背反だと思うので、彼は超一流にはなれないと思っちゃうが、そんなのは全く関係ない。ある線以上にR&Bが好きで、爽やかさに親和性がある人は全員に買って欲しいと思う程。

って、実はずっとこのアルバムは迷ってたんだよね。「このアルバムの支離滅裂さは、ラティモア本人の責任というよりも、むしろエグゼクティヴ・プロデューサーのLA・リードのせいだろう、おそらく。次はもっと焦点を絞ってね」と言われると。確かにそんな気はしてた。だから中古予定にしていたのですが、聴いてみて後悔してます。これなら発売当初に買ってもよかった。5:If Love Is What You Wantとか曲的にイマイチなのだが、彼の雰囲気はちゃんと出てるから。彼の爽やかさは、たとえヘボい曲であっても染め上げてる。

おっしゃる通りの八方美人なアルバムですが、その分、ちょっち興味の人達にもすんなり買えるアルバムになってると思います。(そこら辺はTamiaの処女作に近いかも) 1:Weekend、3:Come to Me、6:Lateryの3曲で買い決定間違いなし!! べたべたバラードの10:Whoも彼が歌ってくれると好きになれる。歌の上手さや声の独自性で言えば、高いとは言えない面がありますが、この爽やかさは本当に最高です。

彼がChante Mooreと結婚すると聞いたときは本当にびっくりした。彼女の方も近作2枚持っているので、どんな歌手なのかは一応知ってます。だからさ・・・。彼の雰囲気に合う女性アーティストと言えば、個人的にはAmel LarrieuxやAdriana Evanssだと思うから。Chanteの方は色気は高いが、彼のような透明感がないし、周囲の色を変えれるような雰囲気も無いと思っていたから。
だからこそ、今度の作品はホント楽しみ。90'Sは歌手夫妻の作品ってあまり無かったのもあるしね。「結婚しました的べたべたアツアツ調」はパスな性質ですが、今回だけは全く逆です。結婚前に両者を知ってるのも大きいし、何よりも、

この爽やかさがどう変わるのか見てみたい
不謹慎な気もしますが、こう思ってますw Lattimoreの爽やかさとChanteの色気がベストな学反応を起こすのかもしれないしね。このジャケットはそのレベルを期待させる。どっちにしても、カップル理解の幅が広がるのは間違いないと思ってます。

それだけじゃなく、彼の2作目も買わないとね。ファットソウルを見る限り評価が低くて悩んでましたが、3作目にここまで惹かれたとなると、次も行かないと。中古じゃ無理そうだから、もちろん新品で。そもそもP2S2H2的には2作目が一番重要なんだよなぁ。このジャケットと"From the Soul Man"というタイトルで一目瞭然だと思うから。内向的に突き詰めたから売れなくなっちゃった作品ほど、本HPが取り上げなくちゃいけない作品もありませんw

ごめんなさい。一作目はかなり惹かれていたけど、「これは処女作だからこその良さじゃないかな」と思いこんでました。まさか3作目でも色あせてないとは・・・想像を遥かに超えてる。だから内向性な2作目はガンガンいきます。きっとFavoriteにも追加すると思います。もしちゃんと聴きこめたら、この爽やかさがどこから生まれているのか分かる。高校時代から「一生無理」と諦めてた爽やかさが手に入らるなら、そりゃ本気度数は最高です。人の性質が何処まで先天的なのかは未だに分かっていませんが、自己の中に関しては、前向きに歩いて手に入らないものは無いと思ってるから。
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