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ふっとした笑顔・優しさ・存在感 | ||
[2006/04] Jaheimについてあまり知らない人は先にこちらを読んでください。 Weekly Commentに書いていたように、本作の評価はそこまで高くなかった。
圧倒的な笑顔・優しさ・存在感 こうとしか言えない歌手は、この先何十年たってもJaheimだけじゃないかな。過去の偉大な歌手と比べても、笑顔や優しさの割りに危険な部分がない。それが本気で凄いと思ってる。年下の歌手という事が全く気にならないし、心の底から尊敬できるし、目標にできる。幼年時代を持ち出して言い訳してる男で、Jaheimを聴いて号泣しない奴は、、、どんな悲惨な幼年時代であっても、とっとと別れた方がいい。もうR&B女性ファンの常識でしょう。ここまで優しすぎると、不安感から生まれるドキドキが無くなって、逆にちょっと物足りなくなるんじゃないか?とまで思わせるからなぁ。信じられないレベルです。 そんな視線から見ると、この作品はガツンとした曲もなく、中途半端な気がしてた。今までの2作が凄かったから、そんなにネガティブに捉えてなかったけどね。けど、たまたま料理してる時に流してて、気づいたんだよね。 あぁ、本作は同年代の為の作品なんだ・・・ 以前に、Hitするとはどういう事かで書いたけど、Jaheimは純粋なコンセプト派だったから。男の真の優しさを知りたい男女以外には縁が無いと思ってたし、それでいいと思ってた。ただ、20-25歳ぐらいの男女にはHoustonみたいなタイプに惹かれる人もいるし、そんな彼らにJaheimは絶対に説得力を持ち得ないと思ってた。最近はマンガやドラマでもホストが熱いけど、ホストになろうと思ってる男の子は死んでもJaheimを聴かないでしょう。逆にHoustonにはハマルと思うんだよね。 そんなコンセプト派なJaheimだけど、今回の作品で同世代派になろうとしてる。同世代の男女全員が気に入るような幅の広さを身につけようとしてる。どれだけ彼自身が意識的にやってるのかは分らないけど、アルバム全体をそう捉えないと真の姿が見えなかった。 「音楽を聴く意味」「黒人音楽という選択」「今の時代の歌手の置かれた状況」「歌手像」「アルバムの全体像」「個々の曲について」というように、曲のレビューには明確な階層構造がある。その全てを書く必要は無いし、音楽を聴く意味とかは根源的過ぎて本人も分らないこともあるけど、いつかは意識的に突き詰めていかなくちゃいけないと思ってる。同じようにアルバムのレビューおいても価値基準は複数あるんだよね。だから、間違っている訳じゃないけれど、歌手にとってもリスナーにとっても優しくない視点ってある。今までの本作をネガティブに捉えてたのは、そんな理由だから。 同年代に訴えかけてるというアルバムの全体像が分った後は、前よりもっともっと曲に浸れるようになってきた。もちろん今までのJaheimに無かった方向性だから、ガツンとした名曲はない。けど、全体としては今までの作品に劣らない完成度だと思う。そう思いながら何度も聴いて、やっとこの一言が浮かんできたんだよね。彼は少しずつでも変わろうとしている。だからこそ次回作に期待です。 |