Glenn Jones
"Feels Good"
やっと出てきた世俗感
[2003/06/21]

鈴木啓志氏の「新版 R&Bソウルの世界」には、80年代の最重要・男性ソロシンガーはGlenn Jonesとはっきり書いてあって、啓志氏が強く入れこんでるのが伝わってくる内容だった。だから二十歳の頃に彼のBest "giving myself to you"を買ったけど、Marvin Gayeと同じで全く分からなかった。Marvin GayeとGlenn Jonesの両方とも合わなくて、かつ理由が違う。あの時は凹むほどに道の長さを痛感したなぁ・・・。

Marvinに浸れなかったのは、その優しさが分からなかったから。Glenn Jonesに浸れなかったのは、その世俗感の無さだった。一体、どんな心をしていたら、こんなアルバムになるのか、想像すら出来なかった。I am Somebodyは80年代のUPを思わせる曲だけど、Keep on Doin'、Show Me、Finesseはホント、ガツンときた。明るさが詰まっているけどエロさがないというのか、なんというのか、未だに上手く言えないです・・・
ただ、

新婚旅行中のドライブにぴったり
とは、あの頃から思ってた。そんな明るさがあるんだよね。漠然と感じてる人生のイメージがあって、稀にそれにぴったりと来る曲がある。そんな意味では、意味が分からない割に嬉しかったなぁ。
で、1998年の"It's Time"です。かなり聴きやすくなってます。かなりお勧めのアルバム。ジャケットの作りも凝ってるし、ボーナスでのKiss-FMで収録されたShow Me等もナイスです。

そんな意味でも新作は待ち望んでました。2002年発売の本作は、哲章さんが「結構ハヤリを意識した作りになっている」と書いてらっしゃったけど、まさしくその通り。今まで高い所にいたGlenn Jonesがこちらに降りてきたと感じたから、期待マンマンで買ったのですが、想像通りの作品だった。だてに表ジャケで女性の腰抱いてません(爆 90年代のエロ系アーティストがこんなジャケットなら完全アウトだが、Glenn Jonesだけは全く正反対。こんなジャケットを求めていたとは恥ずかしくて言えませんがw、ちょっとおでぶになった気もしますが、そのまんまで聴ける作品なのは確か。

1:Dreams Do Come Toreから今までにない手触り。2:Every Timeも元々のGlenn Jonesの良さと、本作で身につけた新たな色気が混ざり合っててイイ感じです。まさか新作がこんな形になるとは思わなかった。どんどんゴスペルの方に向かって行くと思ってたのにネ。うーん、びっくり。

6:I Woner Why 最高!!
この曲、かなり来ます。Slow Funkyをめちゃくちゃ感じるなぁ。やっぱりこんな手触りのファンキーさがどうしようもなく好きなんだと思う。
何かがおかしいことだけが分かって、何をすれば言いかが全く見えない。そこで走っちゃうから余計に道を踏み外す。
このままじゃダメになのだけは痛いほど分かるのに、正面から見詰めるたびに無力感に襲われる。心を少しハズして1歩下がれば、見えてくる答えもあるのにネ。それだけは死んでも選べない。だからどうしても吼えちゃうんだと思う。
そんな面を表現してくれてると思う。

こんな曲が増えれば、いつか「分かってるだろ。俺は不器用なんだ。お前は器用な男が好きなのか」で通る世界になるハズ (ほんとかいw  昔は「恋愛にテクニックが無いのは、人生にテクニックがないのと同じだけ正しい」と言い切ってたなぁ・・うーん、激アホだった。

なんやかんやで女性からこう言われると結構惚れちゃう性質ですが、そんな曲は思い浮かばない。ただいま探し中ですw 
なんでか分からないのだけど、女性はこの時期では開き直らないと言うのか、なんというのか、うーん、ダメだ。色々と訳わからなくなってきた・・・ただ、ホントに女性がこう叫ぶ曲は激稀だと思う。


ということで、Glenn Jonesを知らない人にはそこまで薦めではありませんが、個人的にはかなり良かったです。Glenn Jonesのベストは必須課題だと思いマス。そのうち聴いてみては。
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