Gerald Levert
"The G Spot"
この歳からここまで伸びるとは・・・感銘受けてます
[2002/11/17]

Gerald Levertはソロ2作目"Love&Consequence"を発売当時(98年)に始めて買いました。あの時期のアルバムの中で一番聴いてました。旬の2000Wattsと組んで、そりゃカッコイイアルバムだった。だから"Groove on"やLevert時代の"Love A Dope Style"も集めました。けど多く聴くにつれて、ある種の諦念が生まれてた。歌もうまけりゃ、曲作りもうまい、プロデューサーとしてもイケテル、と非が無いのですが、何かが足らないと思ってた。「LSGのKeith SweatやJohnny Gillと比べると未だに勝負してないGeraldに一番違和感がある」って他では書いてマス。けど現実問題として、Johnny Gillはアルバムを発売できないし、Keith Sweatも作れてもHitからは遠く、手堅く歩いてきたGeraldが一番正しかったのかも、、、とは思ってた。ある意味、どのアルバムも出来が同じ位で、代表作を選ぶのに困る。でも、一定の完成度があるから、安心できるのは確か。そんな小さな積み重ねが、「アダルト・コンテンポラリーの分野でこの秋、一番期待されている作品」という評価になったと思うから。

平凡感が否めないGeraldだったけど、Marvin Gayeのトリビュート・アルバム"Marvin is 60"の中で、Gerald Levertの"let's get it on"が一番輝いていたと思ってた。今までの本人の作品の中でも一番なんじゃないかと思ってた。だからドキドキ感は無くてもコンスタントに新作を買ってたのだと思う。去年発売の"Gerald's World"はジャケット的に手が伸びずに今年買ったのですが、、、確かに"Forever You & Me"は傑作だと思う。結婚Songとしてかなりお勧めで、これ一曲でOKという気分だった。


このアルバムのジャケットとタイトルは微妙に悩みます。イイ意味でも悪い意味でもGeraldらしいとは思うのですが・・・。だから、またまた悩んでいたのですが、哲章さんが誉めてるのもあって買いました。で、聴き始めてびっくり。今までGeraldとは微妙に合わない面があると感じてた、そんな面が全部無くなってます。Love&Consequenceの頃に、将来こんなアルバムを届けてくれるとは思いもしなかった。明らかに、このアルバムでGeraldは伸びていると思う。もう親父さんがどうこうの世界じゃない。たしかに、親父さんにかなわない面もあるけれど、自分自身の魅力を掘り下げてる。そして独自の世界を築きあげてると思う。

Closureが一番凄い
彼が敬愛してやまないMarvin Gayeのレベルまで達してると思う。輝きでは劣るけど穏やかに包まれる感覚はこちらの方が高いんじゃないかな。それ位に凄い。もう何百回、何時間もこの曲をリピートしてるけど全然飽きがこない。そのままストーーンと入ってくる。感銘度数でいえば、去年のマイケルの"invincible"レベルです。あのアルバムは予想ほどは売れなくて、レコード会社の社長がマイケルのことを"白い悪魔"呼ばわりしているらしいが、10年の沈黙に見合うだけの伸び具合だと思う。

けど毎年コンスタントに作品を届けながらも、これだけ伸びる方が凄いと思う。
そりゃ10年の沈黙が可能になる位のものを築き上げてたマイケルは凄いと思う。けど、Geraldの方が指示してくれるものは大きい。もう学生じゃないのだから、1日中音楽ばっかり聴いてることは出来ない。毎日の日常があって、自由になる時間はサラダに入っているタマネギよりも薄くて、そんな中でやっていこうと思ったら、この作品が示す形の方がいいと思う。

この世には、こんな歩き方もあるんだなぁ・・・
いつもハチャメチャだった自分としては、始めての≪教え≫です。滅茶苦茶、感銘うけてます。泣きたくなる度数は去年のAngie Stoneの"Mad Issues"並かな。相手を待ったことは一度もなくて、いつもその時々の相手をえぐっていただけだった。表面的な正しさに酔ってたんだね。けど、気づかないうちにGerald Levertはここまで来てた。Dave Holllisterの部分も書きなおさなくちゃ。

次の作品でドラスチックに全てが変わって、ネクストレベルに行ける訳じゃないのか
それは二十歳前後のわずかな時期のみに可能なだけであって、、今は色んなものが混ざりあった中で、押したり押し戻されたりしながら少しずつ進んでいくんだね。やっとそれが分かったよ。
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