Dru Hill
"Dru World Order"
同世代の支持を得られるのだろうか?
[2003/01/05]

確か、2000年に発売予定だったハズ。それがどんどん伸びて、やっと発売になった。けどアルバムジャケを見たときからショックを受けてました。今更このノリのジャケットはなぁ。って、元からお世辞にもジャケットセンスは良くないグループだったし、2作目の内容はかなり気に入っていたしね。けど実際、聴いてみてかなりショックだったのが実際です。これなら一本気でまとまったWoodyのソロ作の方が断然に上だと思っちゃう。

誰にでも上がり調子と下がり調子があるのは当然だと思ってる。だからこそ冷静に周囲と自己を判断して、今は下がり調子だから、手堅くアルバムを纏めるという判断が必要になるのだと思う。そのとき、真っ先に必要なのは「同世代の支持を得ること」 これが最近の結論。ファンの支持を得ること」は外れだと思う。それは尻すぼみしか生まないんじゃないかな。そして他世代に焦点を合わせるのも違うと思う。上の世代に訴えかけるのは基本的に難しい。結局は、人生経験から生まれる説得力なのだから。そりゃ若い娘に夢中になるオジサンや、若い男に夢中になるオバサンというのもあり得るが、ここを掴まえれるのは良くて一作だけでしょうw
下の世代を掴まえるのも難しい。特に20歳代も中盤を超すと。25以上なんて二十歳以下からみればオヤジに分類されるのだし、そんなんよりも二十歳前のアイドルに飛びつくのも当然じゃん。

端的に言って、このアルバムは焦点を処女作の頃の年齢層(二十歳以下)に持ってきて、ヘンテコになってると思う。それ位にLSGの3名から学ぶことは多い。常に下の世代に訴えかけようとしてたKeith Sweatはもう完全に無理だし、常に上の世代に認められてきたJohnny Gillは若者が作るマスマーケットからは遠かった。結局、どのアルバムにおいても同世代はちゃんと抑えてきたGerald Levertだけが、次の波を掴まえることができ、2002の傑作となったと思うから。もちろんある程度以上に売れるためには異性、同性の両者に訴えかける必要がある。その点じゃDru Hillはデビュー当初から見事なまでに達成してた。色々とゴタゴタはあってもファンは皆、暖かい視線で見詰めていたと思う。だからこそ、そこをKeepしつづければ良かったのに・・・って悲しくなってくるや。

もちろん有名人になるにしたがって、同世代の現実感とは乖離していくのはしょうがない。だからこそ、常にそちらの現状を知る努力が必要になってくると思う。そのときに一番、イイ影響を与えてくれるのは昔の友達じゃないかな。久しぶりに会って、売れても売れなくても昔と同じように接してくれる、そんな友達関係をどれだけ築いているかが、息の長いアーティストになるための必須条件だとも思ったりする。

悪いけど、Nokioの曲作りも今は下り調子だと思う。もちろんデビュー当初からの見事な曲群があるからこそ、彼がグループの曲を担っているのだし、それは大事なことだと思う。けど少しは新しいプロデューサを入れるのも必要だし、そんな会話がグループ内で可能かどうかも大事な面じゃないかな。悪いときには悪いことが重なるものだしね。だからこそ、こんなときほどコンセプトだけはしっかりしなくちゃいけないのだが、それがアルバムのどこからも見えてこない。この2年間、一体何をしていたのだろう? 場外に振り回されすぎたのだろうね、、、

もちろん世代を捕まえるのとはちょっと違うアーティスト達もいる。彼らはデビュー当初からコンセプトを背負ってきてる。今の中では、TyreseやJaheimはこちらの分類。彼らは世代でなく、そのコンセプトに共感する層が焦点になる。彼らをコンセプト派と簡単に分類しておく。もちろんコンセプト派の方が楽な訳じゃない。まず第一に、なろうと思ってなれる話じゃない。デビューするまでの軌跡で決まる面が大きいのだから。MaryJ.やJanetのようにデビュー当初と大幅に変わったコンセプトが可能になるには、その時々の作品を誰もが納得する形で売らなくてはいけない。それはやっぱりホントに稀だしね。そしてコンセプトはアーティストを救うときもあれば、牙をむくときもある。それが極限まで行くとDonny Hathawayのように自殺までいってしまうと思う。 

色々話が長くなってるから、ここら辺は後日、別にまとめます。
で、Dru Hillについて考える。

Sisqoとは同い年でもあるし、タイプも似てるのと思うので、ずっと親近感を持ってきた。彼自身は本人も言う通り「二面性」で立派にコンセプト派になれる素質があると思ってる。けどグループとしてのDru HillはもちろんJodeciを継いだグループ。うちらの年齢層で一番売れてる男性グループ。だから27歳から23歳位までが彼らの真の焦点でしょう。

周りを見渡すと、皆が結婚という壁の前で悩んでる。相手との会話がどうしても具体的になってきて、そのたびに喧嘩をしてる。そんな彼・彼女らに必要なのは、≪建設的な諦め≫じゃないかな。「もっとイイ相手がいるはず」とか言い出すとキリがない。大事なのはありえない夢を描くのでなく、一歩一歩現実を合わせれる事実。それが出来るならイイ意味で決心が必要だと思うから。ということで歌詞のフェーズとしては「今日も喧嘩をしたけれど、最近、前よりも喧嘩も形になってきてる気がする」とか「急に予定が入って会えなくなったときに思い出す初期のふたり」とかじゃないかな。もちろん「本当のハニーがいるならさっさと出て来い、こんにゃろー」って叫ぶのはアリだと思うぞw 

逆に恋人のいない人はそろそろ懺悔の時間でしょう(笑 まだ遊び歩くのは可能だが、早めの見直しほど大事なことはありません。そしたら歌詞のフェーズとしては「二十歳の頃よりGet率があがっても、内容は下がってきてるのは何故」とか「最近、同世代の女性はカッチリ見てくるなぁ」とかそんな感じじゃないかな。

ということで、P2S2H2が知ってる限り、こんなアルバムは90年代のR&Bに存在しません。27歳を超して寂寥感が募る頃には、Carl Thomasがあるから大満足なのだが、25歳のこのフェーズは誰も歌って無い気がする。だからこそ、Dru Hillに期待してたのに・・・今更、ガキをターゲットにしないで欲しかったし、それでさえ吹っ切れてないじゃん。

だって、彼らは今その年頃の女性と付き合おうと思わないでしょ。さすがに対象年齢は二十歳以上じゃない? 
口説きたいと思えない年齢層に訴えかけるのは、どれだけ取り繕っても無理だと思う。


結局、気に入ったのはシングルカットされた3:I should be,,,,と9:I Doと13:My Angel/How Could Youぐらいです。

ただ、この世代が不安定でマーケッティングの狭間にいるとも思うんだよね。アダルトコンテンポラリーチャートでもないし、ナショナルチャートでもないから。けどさ、結構大事な時期じゃない?若い頃の過ちは取り返しつくけど、結婚した後の過ちは悲惨だよ。で、この歳の選択が決めちゃう訳ジャン。ということで、顔の見えないマーケット層であるうちらも問題あると思いました。学生と違って金はあるハズだから、この歳の方はガンガン買うのをお勧めです。 結婚したらこずかい貰う立場になっちゃうよぉぉぉ(うんちゃって)



ということで、久々に長くなってしまてすみません。この年齢の範囲の方からのご意見はより待ってます。
あ、もちろん「そんなアルバム知ってます」メールはもっと待ってますw
去年のDave Hollisterの新作ですが、同世代の支持はかっちりと得ていると思います。次の飛躍に期待してます。
アルバム点数はこちら
3作目"Dru World Order"で加入したDru Hillの5人目のメンバーで、地元ボルティモアじゃ彼らの処女作より売れたというRuscolaの"One Love One Struggle"を聴きました。

このタイトルから感激モノなんだけど、収録曲もホントに凄い。一番気に入ったのは、"Dream in Colors(Acoustic)"です。 5Stepレベルの名曲だと思う。この歌を聴いてると、「そっか、、、明確な形を持たないおぼろげな夢は《色》って表現するのが一番なんだ」って感じた。「君の持ってる夢の色合いに惹かれてるから、、、だから好きなんだ」 っていう手触りの曲は凄く優しくて、若さがもたらす輝きの中でもトップレベルだと思う。若い頃にこんな男性と付き合う事が出来たら、どんどん伸びるのは間違い無いと感じる。 そんな意味では若い男の子に聴いてほしい曲。若い男性でこのレベルって、有り得ないというより、この世の何処かには有るとさえ思った事が無かった。見つけるのさえ難しいし、値段は5000円を越してる希少盤だけど、この曲は聴き込むだけの価値がある。久々に、18の頃に聴き込みたかったって痛感したよ。


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