Blu Cantrell
"So Blu"
綺麗な怒り方が魅力的
[2002/02/20]

これだけスカッとした怒り方をされると、怒られる立場になったとしても気持ちいい。女友達の意見を集めて補強するとか、奥底での未練がじめじめするとか、そんな面が無いのは素晴らしい。歌手の能力として高いしね。3曲目の出だしから将来性を感じさせる。イイ意味での投げやり感があって、対象に依存しすぎない所が彼女の冷静さを感じさせる。その上で、ガンガンに怒ってるもんなぁ。

それにしても今時不透明のCDジャケットも珍しい。レーベル社長のLAリードは真面目に育てるつもりがあるのか知らん? けどその距離感が彼女の自由を生んでるのかな。「ちょっとぶっ飛んでるから、その割には何かありそうだから、まあ今回はそこそこにして市場の反応を見てみよう」ってなスタンスだと思うなぁ。

男性パッシング的な曲はTLCだろうとデスチャだろうと好きじゃないタイプだが、これはナイス。4曲目の声の表情もイケテル。内気な男の子と美人好きにしか受けないAlicia Keysよりも、実は広範に受け入れられる気もするや。Alicia Keysは追っかけてくと内気な女の子が浮かぶが、Blu Cantrellの方は皆さんの言う通り情熱的。それもアーシーとか「カモーン」とかじゃないからナイス。こういう女性は奥さんにしたら、以外とピッタリくると思いマス。それ位の怒り方が出来る。

底を這いずりまわってるって訳じゃないんだよなぁ。恨み節が少ない。上から抑えこまれる気もしない。怒って輝けるって、スゲー魅力です。シンプルな心の構成なんだろうなぁ、、、と思う。今までの女性アーティストに一見似てるようで、似てない。6曲目は落ち着いた出だしから、最後は叫んで終る名曲。彼女の魅力が貫通して味わえます。イイ声してます。やっぱりなぁ、上に伸びるんだよね。声も怒り方も。

アルバム全体も通して聴ける。次回でどう化けるかは凄く楽しみなのだが、超有名にならない所に魅力の根源がある気が何となくする。うーん、まだ凄く感覚的な事なんだけど、全然当たってるとも思えないんだけど、超有名になるアーティストは何かしらの凝縮作用があると思うんだよね。それを感じないんだよな。根本的にはやっぱり、イイ意味での投げやり感であって、このバランスを有名になりながらも保つのは難しい気もする。まあ、将来の結果が何であれ、久々に追っかけがいのあるアーティスト。

曲の連結度もいいんだよなぁ。アルバム最終部もきっちりイイ歌があるしね。2作目はもっと伸びるでしょう。声の優しい男性アーティストの所では、「方向性に対してキスできるようになったいい女」と書いたが、キスじゃなくても、この怒り方でももちろんOK。それだけのレベルです。


本HPとしては女性にお勧めアーティスト。この怒り方は学ぶだけの価値があると思いマス。キスか怒るか、そのどっちかが出来るようになったら、怖いもん無しだね(多分、怒る方が難しいんじゃ、、、謎)
  
これを糧に、彼女はもっといい歌手になるのは間違い無い
bmrを立ち読みしてたら、Ble Cantrellが昔ヌードになった写真が今頃話題になっているという内容のニュースが。そこで彼女は「あの頃は生活費も無かったし、別に後ろめたいとも思ってない。その雑誌を持ってきたらサインするわ」ってコメントしたんだって?

いやーーやっぱりこうじゃないとね。Blu Cantrellの言う通り後ろめたい話でもなんでも無いし、それで離れるファンなんて知ったこっちゃ無いでしょう。そりゃエロオヤジとエロガキは必死に写真を探しちゃうだろうが、それは愛嬌でしょうw 上では「イイ意味での投げやり感のKeep」と言っているが、これなら文句無い。後3段は伸びる。成功しても、ここら辺の事が程よい影模様になると思うな。そりゃ、エロオヤジとエロガキを気にして歌手が務まる訳ねーもんね。こんなのは本人が胸はって前を見詰めれば、吹っ飛んで行く話でしょう。

ということで、もちろん私はエロオヤジとエロガキの中間ですw 友達と一緒に探しました。小さすぎて判別できない程度の写真なら3つ見つけましたが、みたい人は自分で探してください。


それにしても、このニュースを聞いてヴァネッサ・ウイリアムズの事を思った。91年位のニュースだったけ? ちょうどR&Bを聞き始めてた頃だったけど、あのニュースは幼な心にホント衝撃だった。
「アフリカン・アメリカン初のミス・アメリカになったのに過去のヌードが発覚して剥奪になった」
あのニュースで、有名になる前のR&Bの女性アーティストの置かれてる立場が痛切に分った。そんなのもR&Bにこれだけハマった理由の一つだね。やっぱりそんな歌手に惹かれるし、ヴァネッサもそれからよりイイ歌を歌うようになったもんね。

Bluにも期待してる。2作目は発売日に買わなくちゃ、これはもう決定だね。
アルバム点数はこちら



砂漠の太陽を召喚してる
[2003/05/05]

「(アホな男に対しての)イイ女になりたい人へ」で紹介しておきながら、まったく分からなかったBlu Cantrell。延期を重ねた2作目がやっとリリース間近ということで、本作を聴き直してました。あのコーナーの女性3人衆の中でも皆が並んでいるわけじゃない。水路をいじらないSparkleと違って、Angie StomeもBlu Cantrellも働きかけようとしてると思うから。それが何処に根ざしていて、何をしようとしてるかが全然分からなかった。けど、やっぱり1年近く経っても、彼女達3名がアホ男に対しての「イイ女」だと思うんだよね。

Angieが「冬にオーバーコートと手袋をして外に出たくなるような暖かさ」と言われるように、Bluの方は「怒ってカッと輝く」というのは、もうコンセンサスでしょう。根本的に何かが違う。他でも書いたように、この感情の出し方は《怒ってる》とは捉えない方がいいと思う。そう捉えた時点で、大事な何かが手の隙間からこぼれ落ちて、いつも手の中には何も残ってなかった。

湿度がゼロ
これが一番しっくりくる。じめじめした執着心を微塵にも感じさせないのが、一番の特徴なんだよね。そもそも《怒る》という感情には、相手への働きかけがある。だから「怒られた時は自分の事を考えてもらっていると感謝しなさい」とは古くからの智恵の言葉だしネ。それに、ホントに心から外れたら、物理的に阻害しない限り一つの無視しか生まないと思うから。端的に言って、「終わった話に怒るのは感情が執着してるから」というのは真理じゃないかな。もっと下世話に言えば、「決算表が赤字なのが納得いかない」だと思う。これだけの想いに対して、こんだけしか返ってこなかった。だからこそ、満足をもって納めれない。やっぱり人はそんな生き物だと思うんだよネ。喪失感だけならば、哀しみの淵に沈む事はあっても、怒ることはないと思うから。

そんな意味でも、昔からたまに決算表を頭で描く癖がある。自分の執着を終着させるためには、コレが一番なんだよね。明確に現実が分かるし、明日は今の上に立脚すると思うから。そういえば過去に一度だけ、「それは決算表が赤字なだけじゃん」って言った事がある。当然、その関係は終わった。今でもその言葉を聞いた時の相手の瞳は覚えてるや・・・。ここら辺は未だにちゃんと全部は分かってない。

そんな事をぼんやりと思い出しながら、このアルバムを聴く。未だもって謎は多い。何よりも、執着が薄れるに従って心の波は平常になると思うんだよね。その最後にあるのは「俺は色々アホだった。あの頃は全く分からなかったけど、今はいつだって痛感してる。。。その人と幸せになってね」だと思うんだよね。

怒りは執着から生まれ、執着を取り除いて行って残るのは一つの凪、穏やかな波打ち際
それは誰しもの当然だと思う。けどBlu Cantrellだけは違う。アルバムを聴きこんで断言できるのは、執着の無さ。けど彼女は執着を取り除きながら、同時に何かを詰めこんでいる。それもガンガンに詰めこんでいる。その感情のアクティブさは、《怒り》と表現したくなるレベル。それ位に吼えこんでるや。

彼女の心情世界は、まるで砂漠で照りつける太陽を思わせる。湿度の無さもそう。だから追っかけて行くと、驚嘆と困惑が残る。これが《怒り》じゃないことは明確に断言できるようになった。彼女を切り出す言葉は錬度があがってる。けど、執着を抜きながら変わりに何を詰めこんでいるのか、その一番大事な事が分からない。今の自分が持ってない種類の感情の気もする。このSoulに《怒り》以外のものを重ねれない。これだけガンガンに吼えてるのにネ、、、なんてこったい。


ということで、この先こそは2作目に期待です。女性アーティストをJレコードに持っていかれて、アリスタに残った大型女性アーティストはBlu Cantrellだけになってしまった気もする。だから余計なものを色々背負わされた作品になる気もする。彼女のHPに行っても、スタイリッシュなPhotoが増えていて、こちらはちょいとショックだったなぁ。程よい投げやり感が欲しかったから。

HOME