Angie Stone
"Black Diamond"
フル・レンジの魅力
[2002/08/24]

昨年発売の"Mahogany Soul"はかなりHITしたと思う。街でも何度も耳にしたし、今でもWish I Didn't Miss Youとか流れてる。日本のラジオローテーションにしっかり登録されたんじゃないかな。だから、あのアルバムを買った人も多いと思う。そんな人達に、この本作はかなりお勧めできます。あのアルバムは悲しみが全編を渡って貫いて、全体的な統一感があった。けど、こちらは個々に主張性の高い曲から成立してる。一つ一つの曲で比べれば、こちらの方が上なんじゃないかな。

グループ活動中から少しずつ溜めてきた曲
こんな手触りで、よく練られているアルバムです。個人的には前作の哀しみが好きだったから、ちゃんと浸るのに半年間かかった。けど、実際としてはこちらのアルバムの方が色んな彼女の表情が伺える。2:No More Rainから名曲です。やっぱり説得力がある歌手なんだよね。「彼女の諭す力が何処から生まれるのか?」は本当に知りたいのだけど、未だ分ってない・・・

6:VisionsとかAngieらしいUPチューンというのもナイス。やっぱり格違いです。現時点で1番好きな女性歌手です。9:Touble Manとかの曲調も文句無し。10:Bone 2 Picはもちろん木洩れ日の召喚だしね。

優しげな深みに満ちている
そんな彼女の歌声は、悲哀感のMahogany Soulよりも、こちらの作品の方が味わえると思いマス。かなりイイ曲が多いアルバムだけど、重心としては間違い無く14:Heaven Helpだと思う。Heaven系の曲はどんな歌手でも傑作アルバムには納められていると思う。けど、この曲はそれらの中でもトップレベル。3分以上の曲として作られている面だけじゃなくて、歌の構成等をとっても文句無し。

何よりも新たな人生の1歩を踏み出すに相応しい曲

色んな場面で、相応しい「贈る曲」ってあるけれど、この曲も該当するんじゃないかな。「天は自ら助ける者を助ける」という厳かさに満ちていて、日本人にも伝わるモノがあります。ソロとして活動を始めるにあたって、希望・恐れ・期待・反発等、周囲にも自分の中にも波は立つだろうけど、その全てを俯瞰し受けとめる心が生みだしている。そして最終的には「自分を信じる事」 それだけが最初の1歩を生みだせる。この曲はそれをダイレクトに伝えている。けど、それだけじゃ1歩以上はいけない。いつだってAngie Stoneには諭されるや。

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