Talkin' about
古武術 and R&B
古武術サークルを舞台に、揺れる二人の淡い恋心を書き綴り、伝統的な美的感覚に満ち溢れた作品。
メロウかつクール、ハード&ストイックをバックトラックに流れる型のようにすすむR&Bのようなラブストーリー
ついに第1章完成!!
                    Deep&Non Catchy World 全開中
  

(今更読むと、我ながらに激アホなオビです・・・泣)
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これは古武術に関する個人的見解です。この個人的見解に関しては執筆者の私が全面的に責任を持ちますが、
それ以上は御勘弁ください。ただこの視線を通じて古武術に興味を持ってくださったら、嬉しい限りです。
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大学一年生も後半になり、少し手持ちぶたさなマサヤはある日、古武術の勧誘のビラを見つけた。そして何気に気になり出した。それ以来、古武術の事が頭の片隅に引っかかるようになる。そしてついに部室に聞きにいく事にした。どうせなら少しくらい話でも聞いてみようと思ったからである。しかし、それを女友達のサヤカに話すとものの見事に反対される。それでもマサヤは強引にサヤカを連れて、部室に聞きにいく事にした。
サヤカの方もマサヤの意外な面を見て、イヤイヤついて来る事にした。

で二人は すったもんだの末に、部室に。部室からはファンキーなお兄さんが出てきた。

************ 第一部 **************************

えっと、今日は古武術について話を聞きに来たんですが、

私はそんな事、聞きたくもないのに。

まあまあ、お二人とも腰掛けてください。 で、聞きたい事とは何ですか?

それが、少し興味があるだけでして、、、だから古武術というものについてから 簡単に説明をお願いします。

えーー、そんな事したら話が長くなっちゃうよ。

いいじゃん、さっちゃん、お願い。

もう!!

えっと、ですね。古武術というのは今の武道の源流に当たるものでして、昔ながらの型を守り続けてるんですが、

ちょっと待ってよ、私、古武道って聞いた事あるんだけど、古武術とはどう違うの? ややこしくて、訳わかんないよ。

古武道と古武術の違いというものは、動きという面からいえば、ほとんどないと思って構いません。

じゃあ、一体何処が違うんですが。

それは掲げている旗が違うとでもいいましょうか、武道という言葉自体には人の道という意味が含まれていて、人格修練にでもなるといいましょうか。で、武術というのはその名の通り、戦う技術の集合体です。

えっと、ここがやっているのは武術の方なんですよね。

ええ、これは個人的意見ですが、戦国時代が終わってから武術をするという意味が少しずつ薄れてきたと思うんです。世の中が平和になりましたから。すると、そんな中で武術をする事に色々迷いも出てきますよね。だからこそ、江戸初期の武道家とかは色々悩んでいたみたいなんです。そしてその中から晩年の宮本武蔵のような人も出てきました。

えっ、晩年の宮本武蔵はどうなったんですか

確か、悟りの境地に行ったという事です。その事については、もちろん私達の想像の範囲を超えていますが、今まで自分が全てをかけて追い求めてきた事が社会の変化によって認められなくなった時の気分というのは それはすさまじいものでしょうね。

そうねーー、確かにそれは可哀相というレベルじゃないでしょうね。

けど、こんな風に誰でもなれる訳でもないし、かといって武士たるもの、いくら平和でもある程度の武術を身につけていない事には話にならない。だからこそ武術による人格修練という面が浮かび上がってきたのだと思います。

なるほど。

そして、この武術によって人格修練をするという側面が、明治時代になっていよいよクローズアップしてきたのだと思います。それに伴って武道という言葉の方が一般化してきたんじゃないでしょうか。

じゃあ何で、ここは古武道じゃないのよ?

それは、伝統をそのままの形でちゃんと受け継いで行く為だからです。
あと、個人的な意見としましては、そんな人格修練なんて偉そうな事をやっている訳でも、それで少しはマシな人間になれという訳ではないからです。


なるほど、その気持ちは分かるな。

それに、人格修練というのは掲げる旗ではないと思うんですよ。それは美でも同じです。



何というんですが、それは求めるものではないと思うんです。たとえそこに向かって歩いているのだとしても、それを目的化するとかえって歪んだものになってしまう気がするんです。
それに物事は武術に関係なく、本当のプロならば、そうなる過程で十分、人格的にも修練されますよね。なのにその中で武術を選んだというならば、武術というのを掲げれば十分だと思うんですよ。まあ確かに、料理道とかいう言い方もしますけどね。それはそれは、うちはうちです。

じゃあ、なんで武術なんかやってんのよ、もっと現代的な事でやればいいじゃん。

いやーー、それは楽しいからですよ。

へーー、やっぱり楽しいんですか、

ちょっと、ちょっと、ちゃんと何処が楽しいかいってよ、マサヤはすぐ人の影響を受けるんだからさ。

さっちゃんが人を巻き込むタイプなんだよ。

なによ! 私のせいにして

まあまあ、お二人ともそんな喧嘩しないで。全く仲がいいんだから。

良くないです!!!

そうですね、何が楽しいかというと、それは、体を使うという事ですね。簡単に言うと、普通の人にとっての体っていうのは、普段は普通であって害がなく、調子を崩すとネガティブな作用をするものですよね。ほらよく言うじゃないですか、Health is not a value when sickness comesって

ええ、それは。

けど、本当はもっと自分に対してポジティブな事もしてくれんです。それが型稽古の良さでしょうか。

えっ、あなた達の所は型稽古なんですか?

ええ、上の人も下の人も同じ型を毎回練習するんです。まあ、もちろん段があがれば、隠し技なりを教えてもらえるんですが。

えーー、毎回 同じ事ばっかりやってんの、つまーんない、すぐ飽きそう。

ははは、いやーー。そこが違うんですよ。ほら、最近のHip-Hopだってそうでしょう。

えっ、Hip-Hopと何かすごい関係が?

いやー、それは大してありませんが、簡単に言っちゃうと、昔の名曲をサンプリングして、ループで繋げて、くるくる回しながら メロディアスで主張性のあるバックトラックを作り、その上に歌声をかぶせていき、所々でマシンガン・ラップを挟んだりするというものですよね。これは彼の天才性をもってして、MewJackSwingとしてR&Bに大転換を、、

もしかして、Teddyの事いってるんですか?

いやーー、お嬢さん、よくご存知ですね。そのとうり。

まったく、さっちゃんはR&Bフリークだから。

えーーー、R&Bを聞くんですか? いっがいーー。もっと古武術とかやってるんだから演歌とか聞くんだと思ってた。

まさか、そんな事はありませんよ。私にとってはR&Bも古武術も両方楽しいですし、かなりはまってますね。

え、ホントにそんなに古武術が楽しいんですか?? だったらわたし、、、

ちょっと、ちょっと二人で名に別な話で盛り上がってるんですか!

いやー、すまみません。要するに、いいたかった事は 型稽古を繰り返していくうちに、そこに自分の味付けが出来るようになるという事なんですね。そして、その型稽古の動作はさすが歴史を思わせるような、全くの無駄がなく、かつそれでいて、可能性を秘めているものなんですよ。

そんなにすごいんですか。

そんなにすごいんです。少なくとも、最初は見慣れない動きだと思いますが、やり込んでいくうちに はまってしまいますし、その理論的裏付けを知るとびっくりしますよ。

へーー、そうなんだ。なんか歴史といわれると圧倒されるよな。

まったく、これだからマサヤはガキなのよ。ねえ、済みませんが話を脱線する前に戻して、何故、ポジティブに作用するか教えてくれないと。そんな歴史、歴史って、今よ 今。今が大事でしょ。

あっ、そうですね。すっかり忘れていた。えっとですね、そこが型稽古の良さなんですよ。毎日、コンスタントにやっていくうちに、自分らしさがにじみ出てくるって言いましたよね。だから、自分の本当の所を知るのにいいんですよ。

本当の所とは?

例えば、悲しい事があったとしますよね、で、それを我慢しているとか。そんな日でも型稽古をすると、やっぱり出ちゃうんですよね。すると、ああ今日は無理しているだけで、やっぱり悲しいんだとか。逆に、いやな事があって、それを静めてようとしている時とかも、ああ、こんだけ怒ってるのか・・・とか。嬉しい時は跳ねるような型になりますしね。
こんな感じで、自分を冷静に見詰めれるんですよ。だからすごく、心の荒れがこなくていいんですよ。

あーー、それ私すごくわかる。やっぱり一人暮らししてると、どしても色々な振幅が収まりずらいですよね。

さっちゃん 収めようとしているの?

もーー、マサヤは親と暮らしてるからワカンナイのよ。私だって、一人でいて寂しい時とかあるんだからね。

さっちゃん・・・

はいはい、お二人さん。そおいう事は他でやりましょう。

そっそうよ、で、話しは変るけど、ポジティブってそれぐらいの事なんですか。
ポジティブっていうのなら、もっとすごい事が起こってもいいんじゃない。

さすがさっちゃん、返す刀で鋭い切り込み。

う・・・そうですね。ええ、これ以上にポジティブな作用は確かにあります。

ええっえ!

けど、これは入ってからのお楽しみという事で。

うううう、やっぱり。

まあ、今上げただけでも十分じゃないですか。型稽古を繰り返す事で、ほら、君の体もメロディアスになりますよ。

メロディアス?

うーーん、要するにですね。その何というのか、例えば、どうしても戦う時に追い込まれてしまった時とかにですね。ほら普通の人だったら、大声上げながら、飛び掛かっていくぐらいですよね。

って、戦う時に追い込まれるんですか?

うううっ まっ まあ、それは置いておいて、そおいう時にでも型稽古で動作が体に染み込んでいると、そこで咄嗟に流れるような動作が出てくるじゃないですか。確かに、今の社会で、こおいう事はほとんど必要とされませんけども、そおいう裏付けがあるほうが、ほら日常も変ってくる気がしませんか?

なるほど、

全くーー、マサヤはこおいうのに弱いんだから。

まあ少なくとも、どっしり構えて、つまらない事で必要以上に悩み疲れるような事は無くなりますよ。

ちょっと、ちょっと、つまらない事って何よ。そりゃ私は最近悩み疲れだしてるけど、つまらない事って、それは言い過ぎじゃない。

さっちゃん、さっちゃん、誰もさっちゃんの事いってないって。

いえいえ、こちらこそ済みません。
けど、つまらないかどうかは、本人が一番知っているじゃありませんか?

つまらない事か・・・

え、何?さっちゃん。僕の顔に何かついてる??

やっぱり、悩む私が馬鹿だわ。

え、何、どうかしたの?

いいの。それより、えっと・・・あ、そうそう。確かにそこら辺の話は良く分かりましたけど、強くなるという事と、古武術をやるという事の関係が良く分からないんです。

あ、それは僕も聞きたい。本当に強くなるんですか?

そうですね、強くなるかといわれれば、強くなります。ただし、私達の技の中には現代では禁じ手とされる事が多い、肘による技とかが多く含まれている事は事実です。だからその強さを、誰かに試すとか、大会で順位を競うとはないですね。

え、そおいう事、全くないんですか。

演舞会ならありますよ、もちろん。けど、本気で手を合わせるというのは、私の知る限るありませんね。

え、じゃあ、稽古は一人で型稽古ばっかりなんですか?

それは違います。二人でやる組稽古もありますが、まあそれも技を最後までかけるという事はないでね。

それって、あの、寸止めみたいなものなんですか?

ええ、まあそんな所ですね。最後までかけると危険な技ばっかりですからね。もちろん防具を付けて練習する時もありますが。

うーーん、それじゃあ、自分の強さはどうやって測るんですか?

自分の強さは他人がいないと分からないものではないと思います。それは型稽古の時の動きのすばやさとかに自然に現れていきますから。
相手というのは 自分の世界というものの狭さを見るものではあっても、必要以上に比べるものではないと思います。それは強さという事でも同じじゃないでしょうか。

ちょっと、それは確かにそうかもしれないけど、そんなにハイそうですかって簡単には行かないわよ、絶対。誰だって、いやでも周りと比べられながら生きているんだから。

確かに、簡単には行きません。ただ、さっきも話した通り、江戸時代初期の武道家達のように、強さを求めているのに その強さはなかなか他人には認められずらい。そりゃ、私だって、K-1とかテレビで見ると揺らがない事はないですよ。
けど、だからこそ、そんな状態が好きなんですよ。
周りから認められやすい階段を上るのもいいかもしれないけど、こっちのほうは こっちのほうで楽しいですよ。何より、だからこそ、必要以上に他人と比べられないですし、自分のペースでこつこつ出来ますし。何より、現代は肉体的な強さを求める事、それ自体がもう見えにくくなっているんですから。だったら、どうせならこっちまで来るか、ってなりません?
それに強さという事自体が、実は人格修行と置き換えても、さっきいった事が成立するものなんじゃないかと、最近思っているんですよ。

うーーん、ちょっと難しいな。
確かに、貴方が悩んでいないというか…それは分かるんですが、その状態に僕も慣れるんですか?それに古武術と他の武道をする事との対比も分かりませんし・・・

私も残念ながら、他の武道をやった事がないので、ここらへんの事は分かりません。ただ、強さを測るという物差しは色々あっていいと思います。そして確かに型稽古の繰り返しは井の中の蛙になり易いかもしれません。けど、それはそれで、それがお前の器だったんだという事で、また楽しい事だと思います。

うーーん、そういう楽しさがあるのなら、それはそれで一ついい事かもね。

そういってもらえると、結構 嬉しいですね。

けど、マサヤがそうなれるかは別。

失礼な、さっちゃんはいつだって、僕を子供扱いするんだから。

だってさ、マサヤはいつも・・・


はーい、はーい、ここで少し休憩タイムにしましょう。
古武術一般についてのこれ以上の詳しい事は、ゆっくり見学にでも行って聞いてくださいね。


********** 休憩タイム **************************

ねえ、ねえ、せっかくだから、R&Bの話をしましょうよ。詳しそうだし。

そうですね、少し待っててください、紅茶でもだしますよ。

まず、R&Bってのは一体どおいう意味なんですか?POPSとは違うんですか。

そうですね、最近はほとんど黒人Popsという意味で使われやすいですが、元々のルーツは全く区別です。R&BはSoulやゴスペルなどの流れを汲んでいますし。ただ、70年代のスティービー・ワンダーや80年代のマイケル・ジャクソンなどの活躍によって二つがかなり近くなっていますし、この流れはバスケットでの黒人選手の活躍とかも影響していると思います。

なるほど、

大体、R&Bで流行った事をPOPSが取り入れているという感じですね。最近の白人アイドル・ボーカルグループもBoyzIIMenなどのコーラスワークを取り入れていますし。

へーー、そういわれてみれば、彼らはアイドル性だけじゃないですね。じゃあ、最近のR&Bシーンですが、どう見ているんですか?

うーーん、90年代前半のBoyzIIMenに代表されるボーカルグループでのSlowなバラードという路線は変ってきていますね。まあ、この路線も80年代後半のダンス・ブームを受けての事だから、UPテンポとSLOWテンポというのはこういうような大きな入れ替わりの流れがありますね。

僕もBoyzIIMenなら知ってる。あれはもう駄目なんですか?さっちゃん大好きだったのに。

駄目ではないですが、去年に出した3作目のセールスはイマイチですね。悪くないアルバムですが、まあ前作の売り上げが凄かったという事ですね。

そうですよね、あの頃は 13週間、15週間 14週間、14週間でしたっけ、ビルボードNO1だったのは。やっぱり一時代を作ったという感じだけど、永遠ではないし・・・

というか、今回のアルバムは もう少しパーソナルな1stアルバムの時のような音作りを期待していたんですが、路線が変らなくて。少しHip-Hop系の音をやっていますが、もともと歌心がそこにあるとはいえないですし、Hip-Hopを聞くような年代の人はBoyzIIMenにやって欲しくないと思っているというか、まあ、これはマライアにも当てはまるんですが。

マライアもなんですか?

まあR&B系から見れば、あの人はもう完全にPOPSの世界にはまったというか、1st、2ndまでですね。Soul寄りなのは。まあそれも、なんといか、SONYがやり過ぎたというか。

えっ、その話は聞いた事ないです。

このさい、ぶちまけちゃいますが、マライアは確かにもの凄いシンガーです。
デビューした頃は、本当に皆さわいでいたものです。

デビュー当初から知ってるんですか?

ええ、あの頃から、R&Bにはまっていたもので。
おかしいなと感じ始めたのは、やっぱりあの、MDのCMでバンバン流れ出した頃ですね。

あのCMが何か?

実はあれは、SONYの戦略で、CDと違い音を圧縮して録画するMDにおいては、CD並みの音で聞けるという事を訴えない事には少し弱いですよね。確かにそれがなくても、カセットよりは優位がありますが。だから、あの頃 自分の傘下で7オクターブの声を持つ、黒人シンガーにしては日本人にも受けやすい美人のマライアの声を圧縮しても、ほらこのとおり、というCM戦略に出たという もっぱらの噂です。

へーー、そうだったんですか。

えっ、マライアは黒人なの。

そうなよ、あの人は父親が黒人だから、戸籍上は黒人なの。だから、R&Bアーティストとしてデビューしたのよ。確かにデビュー当初からその枠に収まりきらないものを持っていたのは事実だけど。

そうですね、けど、売れるという事をあまり追っかけないで欲しかったです。けど、なんというのか、そんな事を非難したい訳ではないですし、彼女も被害者といえば、被害者ですから。音楽レーベルというものも 誰かがもの凄く売れない事には、パーソナルでいい歌を歌うけど、ヒット性に弱いアーティストとかを売り出す事も出来ませんしね。

確かに、そう言われれば、そうね。あくまで商売という事だもんね。

そうですね、昔のように芸術がパロトンのお金によってまかなえる時代じゃありませんし、社会の発展は富の一極集中を否定する方向で進んでいるのですから。芸術が大衆化と共にコマーシャリズムも引き受けざるを得ないのは歴然たる事実です。

なるほどなーー。

だからこそ望む事といえば、彼女はもう十分やったのだから、もうそろそろ彼女なりの音を目指して欲しいです。今までの売れるプロデューサーと手を組んで、チャートアクションばかりを狙うのを止めて、今度は自分が新人のプロデューサーを発掘するとかですね。
たとえ、失敗する可能性があっても、そんな風に自分の音を突き詰めて欲しいです。
まあこれは、BoyzIIMenにも当てはまるんですが。

それは、勇気がいる事ですよね。

Bobby Brownの今度のアルバムはまさにそれでした、確かに売れませんでしたが。
彼のアルバムの中ではいちんばんの愛聴盤ですよ、もちろん。凄くいい曲がそろってます。だからこそ、彼らにもその一歩を踏み出して欲しいです。もちろん私以外にも、それを望んでいる人は多いですよ。

なるほどーー。僕 単にヒット曲だからとか思っていたけど、色々あるんですね。

ええ、そおいう才能ある人の綱渡りを感じるのが好きだからこそ、R&Bなんです。R&Bが一番POPS市場に近いですしね。私自身としては、芸術というものは本当に自己を突き詰めた果てに普遍性を手に入れれるのかを見たいんです。
そして、多分、普遍性を求めて手に入れれるのは、良くて同時代性なんだと思うんですよね。

うーーん、話しが難しくなっているけど、何となく分かるわ。私は今まであのコーラスが好きという理由だったけど、その奥にも色々あるんですね。

そうですね、ここら辺はさっきの話とリンクしますが、結果としての一義とそれを求める事との危うい関係とでもいう所でしょうか。まあ、色々難しいですよね。

なるほどね。そうそう、そういえば、あなたのFavorite_Artistは誰なんですか?

たくさんいますよ。有名な所では K-ci&JoJoのいるJODECIとか Mary J.Bligeとか、最近のアルバムではGelard Levertとか、旬の変則サウンドをしっかり抑えつつも、円熟期に入ったdeepさを感じさせてあまりある充実作ですね。

結構、一般的日本ウケはやや難ありな人達ですね。

僕もK-ci&JoJoなら知ってるよ、前に さっちゃんが聞け聞けってうるさかったような。

またーー、マサヤはそんな風に覚えているんだから。

まあ、確かにこおいうFUNK色を持つ人とかの日本市場でのウケは悪いですよね。日本はもっとブラコン路線が受けがいいから。

ねえねえ、ブラコンって何?

ブラック・コンテンポラリー・ミュージックの略よ。まあ簡単に言うと、ムード音楽に近いという感じね。それよりも、これぞっていう人はいませんか。これを聞けば私の世界も広がるっていうような。

そうですね、一人いる事にはいるんですが、これはパーソナルですし、私自身の思い入れも大きいですし・・・

ぜひお願いします。最近は私、少し、色々分からなくなってきて・・・

分かりました。じゃあ、いいましょう。Brian Mcknightです。

Brian Mcknightですか、そういえば名前だけなら。

この人が一番ですね、私はそう断言します。そおいう事をいう人は他にもいます。昨年のアルバムAnytimeも素晴らしいですが、この人の真実を感じたかったら、1stのBrian Mcknightが一番です。

1stなのにSelf_titledなんですか? Self_titledって普通 自分が一番いい出来だと思うアルバムに付けるんですよね。

ええ、そこが彼の凄い所です。1stでここまで完成していて、かつ魅力的なのは他に無いと思います。ただ、このアルバムはもの凄く居場所がないアルバムですから注意してください。

居場所がないというと?

中2の頃です、MTVでこの人の曲を聞きました。もの凄く惹かれたのに、結局 買いませんでした。それはその頃の音楽にかけれるお金の事ももちろんありますが、一番 自分を押し止めたのが、居場所の無さでした。飾る事が出来ない音楽なんです。

飾る事というと?

R&Bに良くありがちな、何かをしながら流しておくという事が出来ないんです。その世界に引きずりこまれそうになるんです。それなのに、そこには居場所が無いんです。それが、ある意味、もの凄く恐かった。何というのか、本当に奇麗なものこそ、コミットできないんです。水晶とか、花火とか。眺めれば奇麗ですが内奥に入るのはかなり辛いです。けど二十歳を過ぎてやっと分かるようになりました。彼が何を欲しているのか、何を見ているのかが。

あの・・・話が跳んで見えにくくなっているんですが・・・

そうですね、済みません。簡単に言うと、私は今まで 音か歌詞かどちらかを突き詰めて欲しいと思っていました。そうじゃないと消費されるPOPSになると。そして、バラード系は音としての主張を強くしづらい分だけ、歌詞世界をちゃんとして欲しいと。

それは、分かります。

けど、この1stはバラードながら、メロディーラインにインスピレーションに溢れています。中に入っているピアノの曲とかは絶品ですね。

そんなに凄いんですか。

少なくとも、BoyzIIMenに代表される、売れる歌の文脈とはかなり違いますよ。

Soulという部分ではどうですか。

Soulづくしだと思います。けど、そのSoulも恋愛の歌が主なのに、何処かCOOLです。

COOLとなんですか。

COOLというのは、今のHip-Hopの文脈でのCOOLではありません。もっとベンEキングのスタンド・バイ・ミーに近いんです。

あれはCOOLなんですか?

COOLというよりは、そうですね、限界というのか・・・。
あの曲は乾いた音作りですよね。そして歌詞の内容も一歩退いていますよね。私はあの映画はあの曲を簡単に解釈したと思っているんですよ。
あの曲は男の友情を描いたものではありません。愛していても Stand By Me という所がCOOLなんです。それ以上を望まないし、望むべきでないという所が。だから、COOLというのは少し語感が違うかもしれません。どっちかというと、砂漠感ですね。孤独感も加味された。
燃えるように熱いけど、草木は生えていなくて、夜は氷点下まで冷え込むような。


うーーん。

この人のアルバムを聞くと そおいう感じが伝わってきます。それは自分にとっても とてもうれしかったです。少なくとも中2の頃よりは少し物事が分かるようになったから。


・・・・・・

ただ、彼のアルバムはそれにもう一つプラスが在ります。レイド・バック感とは別のものが。それに一番 惹かれているんです。

それは何ですか。

聞けば、きっと見えてきますよ。

・・・・・・

・・・・・・

ちょっと、ちょっと、何二人で訳ワカンナイ話を一所懸命やってるんだよ。僕はここに古武術の事を聞きに来たんだよ。さっちゃんもなにさ、いやいや、ついて来たくせにそんなに話し込んで。そんなの僕の目の前でやんないでよ。

マサヤ君・・・

・・・せっかくさ、さっちゃんに少しは僕を見直してもらおうと思って、古武術でもやっろうかと思ったのに、最初は反対せれるし、次はこれだよ。
やってらんないよ・・・・・・


ゴメン、マサヤ君。あのね、私も最近考えていて・・・。だからこのままじゃいけないと思って、だから聞き込んでたの。ごめんね。

さっちゃん・・・。

わたし、マサヤ君がそんな事、思ってくれてるなんて、知らなくて。
マサヤ君も古武術頑張ってね、私も、この人のCDを聴けば何か分かるかも知れない気がしてきたから。

・・・さっちゃん。

・・・マサヤ君。


はーい、はーい、休憩は終わりーーー。お二人さん、休憩は終わりにしましょうね。で、次の質問に行きしょう。

そっそうですね。



************* 第二部 ***********************

で、柳生心眼流という事なんですが。それについて詳しい話をお願いします。

そうそう、一体どんな流派なんですか?

開祖は竹永隼人。戦国時代末期に神道流、神影流、首座流、戸田流の四流を学んだ後、一流を立ててこれを心眼流と称し、後に柳生但馬守に師事して奥秘を授けられ、柳生心眼流を称したと伝えられています。流派の特色としては、特に柔術によって有名ですが、剣術、槍術、棒術、居合術、補手術及び、その他の武具・武器術を含んだ総合武術です。

有名って、私知らなかったわよ。

ははっは、実は私もここに来るまで知りませんでした。けど、宮城県の無形文化財に指定されていますし、他の多くの古武術が形骸化していく中で、頑なに昔の伝統を守り、実戦性を保ち続けているので、最近は注目度もあがっていますよ。

へーー、すごいな。じゃあ、槍術なんかも教えてもらえるんですか?

ええ、もちろん。段があがれば教えてもらえます。だけど、槍術とかの動きもすべて、最初の型の中に含まれているんですね。それを応用する事で、どんな武器を使いこなせるようになります。これが、柳生心眼流の型の可能性の凄さです。だからこそ、私達も繰り返し型稽古をしている訳です

うーーん、凄そうだな。このサークル 兼徳会の事なんですが、ここは同好会みたいなものなんですか?

まさか、れっきとした道場ですよ。佐藤治師範に教えをこいでいます。もちろんこの方は免許皆伝まで収めていらっしゃいます。ただ、師範は県北に住んでいらっしゃるので、私達のほうで伺います。普段は近くのスポーツセンターなどで、師範代新田先輩(M1)の元、稽古をしています。

練習日とかはどうなってるんですか、私 結構それは心配。

週1回、2時間という事になっています。

そんなに短いんですか。

ええ、それ以外の稽古は各自でするという事になっています。そんなに場所を取る話でもないので部屋の一角で出来ますから。

けど、少なくありません?

基本的に、進む速度は各自に任せてあります。そこら辺を干渉するつもりはありません。前にも言ったように、個人的作業に近いですから。ただ、前よりも腕が落ちているというのは困りますが。

ええ、それはもちろんです。

場所と時間は聞きに来てください。だからもちろん、他のサークルと掛け持ちも何の問題もありません。


けど、この時期だと後期募集ですよね。そしたら、前期から入っていた人達でもう仲良くなっていたりとかして。マサヤは根はいいんだけど、少し頼りないし・・・そんな中で上手くやってけるのかしら。乱暴な先輩に、技を色々試されたりとか・・・・・ああ。

こらこら、まったく、さっちゃんはすぐに余計な所まで想像たくましくするんだから。

それは心配無用です。確かにこのご時世で武道を、それも古武術をやっている人種というのは私も含めて少し普通からはずれてる人が多いですが、皆いい人達ですよ。ほら私みたいに。

・・・・・

いやいや、まあそれは置いておいて、そんな乱暴な人はいませんよ。第一にそんな人が古武術をやろうと思うと思いますか。

それはそうだけど・・・飲み会で一気とかやらされて、看病する事になったら・・・
マサヤは酒癖悪いし、そんな時に私が迎えにいって・・・

おいおい、何でさっちゃん出てくる?

そんな事はありません。確かに学期末は納会という事で皆で飲んだりもしますが、うちはどっちかというと、酒の旨さを嗜むというか、先輩でワイン好きな人とかいますし。

普段の稽古ついて具体的には、例えば生傷が絶えなかったりとか。

最初はまず型を覚えてもらいます。その後、組稽古に移りますが、それももちろん生傷なんて出来ませんよ。女性でも全く大丈夫です。現に女性の方もいますし。むしろ合気道と同じように護身術として最適です。

さっちゃんには必要ないよね。

何!! けど、本当に女性でも大丈夫なんですか。

ええ、もちろん。私達の動きは筋肉を付けないと出来ないようなのがある訳でないですし、むしろ流れるような動作が主体ですし。また体の筋肉を効率よく 全体的に使いますので、体が引き締まるといった効果もありますよ。

なるほど、これで結構 安心しました。これならマサヤでもやっていけそうですね。

ええ、どなたでも大丈夫です。

けど、ホントの所 まだ心配。

じゃあ、今度一緒に見学にきますか、なんならマネージャーという形でも構いませんですし。

えっ、マネージャーですか。汗まみれの胴衣を洗ったりとか、けど私マサヤのだったら・・・。

まさかそんな事はありませんよ、稽古の間の休憩中にお茶の用意をしてもらう程度ですね。
伝統的に。

伝統的に、ですか。

まあ今はいないんですけどね。

なるほど。これで安心です。じゃあ今度見学にいきますので。

ねえ、ねえ、何か後半はさっちゃんが質問してばっかりだね。

いちいち、そおいう事を突っ込まないの。全く。ふーーこんな所も直るのかしら?

じゃあ、今日はホントにありがとうございました。僕もやれそうな気がしてきました。

いえいえ こちらこそ。

では、今度見学にきますので。

では、まってます。

第一章 完


という事で、皆さん。これを読んで興味が出た人はさっそくサークル塔 420号室
まで、聞きに来てくださいね。あと、質問のある方は電話ください。


後書き。
いやーーかなり疲れた。全く、後期募集というのも楽じゃないね。色々な疑問を最初から取り除かないと、皆来てもくれないし。まあ古武術というだけで、退かれる事のほうが多いんだけど……。そう考えると、さすがに少しブルーになったりもする。

そんな事ないわよ、マサヤ君、少なくとも貴方はもう立派な古武術の使い手じゃない。

さやかちゃん、やっと僕を認めてくれたんだね、じゃあ、約束を。

えっ、私約束なんて

とぼけても駄目だよ、サヤカ。 ほらもう僕の部屋に。

えっ えっ

いかんいかん。ふーー、ふーー、深呼吸。台本作りって、精神衛生上疲れるよな。
うん、最初にも言ったけど、皆さん、これで古武術を誤解しないでね。
これは全くの個人的意見だからさ。俺が見えている事なんてまだまだ ちっぽけなものだしさ。けど、この思考も稽古をしていくうちにドラスチックに変りそうだし、そこがまた好きなんだよな。 まあ、単に勧誘するよりはこっちの方が参考になっていいかなと思いまして。
そうそう、もちろん、うちらの会も 私みたいな?人の溜まり場という事もありません。もちろんながら。みんな普通の人達だし。それぞれスキな理由があって、この会で稽古している訳だしさ。

それはそうと、R&Bの紹介もついでにさりげなくしておいたし、えっ、全然さりげなくない。 うーーん、息抜きの為に作ったんだけどな。まあ俺自身けっこう入れ込んでるからな、こっちの方にも。

という事で、古武道に全く興味無くても、この文章に関する感想は受け付けます。もちろん、R&Bに興味がある方も歓迎します。
けど、R&Bの方は今回のメインでないので、そおいう話は出来ればEメールにしてください。アドレスはxxxxx@ceres.dti.ne.jpです。

では、ここまで読んでくれてありがとうごさいました。
ホント長くなっちゃって済みません。そうそう、これを捨てないでくださいネ。
いやーー色々とアホな文章でした。え、これを読んで新入生が来たかって? くるわけねーだろうなもん(泣) 
きっと余計に減ったのでしょう・・・

何部刷ったかなぁ・・・100部くらい作って、棟にばら撒いておいた記憶がある。二十歳終わりの、R Kellyの処女作にハマってる時です。Geraldが出てきましたが、Love&Consequenceはスキだったんだよね。まだまだSoloもMarvin Gayeも分かってなかった頃。アルバムは100枚を越した頃だったと思う。この時期にR KellyのR.が発売されて、どんどん彼にハマって行ったなぁ。R&B聴きながら、稽古して・・・どんどん二つを突き詰めていってた。

って、古武術サークルに入ったのは、「袴」に憧れてたから。合気道にでも入ろうかなぁ・・・って思ってたら、丁度、勧誘ビラがあった。そこにあった「構え」に惚れたんだね。先輩達も皆イイ人ですっごく楽しかった。そもそもが伊達藩の武術として、農閑期に家の土間で稽古してたっていう歴史がある。合気道を作った植芝師が若い頃にうちの棒術を習ったとか、嘉納治五郎が柔道を作ったときに、うちの中興の祖が東京までいって上から10人なぎ倒してきたとか、古武道の流派の中では有名な方とか、そんな歴史を知ったのはこの後のこと。

ただ自分は、部屋でガンガンに稽古できる、そのひっそりとした手触りの魅力にどうしようもなく惹かれてたんだよね。東北の冬にガンガンに稽古する、その積み重なった伝統の手触りが滅茶苦茶好きだった。ホントに自分にピッタシきた。だけどいっぱいっぱいの時は理由つけては休んでたなぁ。それに小言を言われなかったのも大きかったかも、、、、え、結局どれぐらいやったって? M2の頃は忙しくて行けなかったから5年かな。段位は目録だから、初段ちょい上ってぐらいだと思ってください。

稽古もR&Bも両方に確かな手応えを毎日感じれた頃、、、なにも無かったけど、それだけはあった。
今から戻るつもりは無いけれど、振り返ってみると色んな意味で懐かしい時期です。


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