Janet Jackson
最近の穏やかな目尻が印象的
[2001/09/11]

近年のJanetがR&Bの女性アーティストとして最高の位置を占めているのは間違いないと思う。 個人の方向性を出しながらも、幅広く受け入れられる曲を作ってきたのだし、Jam&Lewisとの関係もアーティストとプロデューサーのコラボレーションとしては示唆的なのだから。前作(Velvet Lope)はJanetの問題作と言われたものだけど、振り返って聴くと、聴き易い曲もあったりして、そこまでリスナーをほっておいてぶっ飛んでいる訳じゃない。


最近の彼女はそのラインが誰よりも見えていると思う。売るという事第一線にいつづける事と、自身を掘り下げて行く事。これらは口で言うのは簡単だが、実際Janet以上にこれを達成できているアーティストは男性女性を含めてR&Bにはいない気もする。(MaryJ.もいるけど、ちょっと毛色が違う) 声としての歌手の能力は、確かに平均より高くないのだが、それを自身ではっきり分かっているからこそ、常に何かしらの形で挑戦し、そして得てきた結果が今日のJanet Jacksonなのだと。

けど、今まで自分がJanetについてUPしなかったのは、やっぱり兄貴であるマイケル・ジャクソンとの関係なんだよね、、、
Janetは初期のマイケルから「何をしなければならないか」を学び、後期のマイケルから「何をしてはいけないのか」を学んできたと思うから。様するに、「お兄ちゃんを追っかけて、そして反面教師にしてきた」と言う事。それ自体は、もちろん非難される話しでは無いんだが、やっぱりマイケルが常にジャネットの先にいて、ビデオクリップにしても、道を切り開き、そして壊れてしまったからこそ、今のJanetがいると思ってしまう。
それだけ、マイケルの最後はショックだったから。


昔は、ジャクソン・ファミリーの中でマイケルとJanetの顔だけが明らかに違っていて、「兄妹を似てる顔にする為に、同じ人が執刀している」と噂が流れてたしなぁ、、、今回は、またVelvetから顔が変わっていて、「オイオイ、またいじるんですか?」と思ってしまったけど、それを吹き飛ばすくらいに、今のJanetの表情は魅力的です。Rythm Nationのイカツイ顔から知ってる年代にとっては、感慨深げだね、、特に少し垂れ下がった目尻が、彼女が到達地点に来てる事を示唆していて、単なるアイドルとは格が違うなぁ。かのTyreseさえ、Janetを追っかけているんじゃないかと、密かに思う。確かに、Tyreseが言うように、Janetはあれだけビックになっても、いばってないのだろう、、とビデオクリップを見てて思った。デビュー時期は遅れるが、マライヤやトニブラの表情と比べて見ても全然違う。マライアは固まったような顔してるし、トニブラは奥底では気付いていながらも、外に対しては未だに喧嘩を売ってそうだからなぁ。


80年代から色々話題を振り撒いてきたマイケルとジャネットだけど、R&Bアーティストの整形としては彼らが先鞭をつけたんじゃないかと思ってしまう。それまでのアフリカンアメリカンには、自身の顔の作りがどれだけ、白人的?美的観念から外れいていても、それを誇りに思っていたと思うから。そのラインを踏み越えたのは、大規模な形でR&Bチャートとナショナルチャートの境目を無くしたマイケルの影の部分だとは思う。

けど、確実に今のジャネットの表情にはその先が見える。だから、自分は密かにジャネットに聞いて見たいと思ってる。 一体何を得て、何を失ったのかというのを。化粧に失う物が無いのなら、整形にもやはり無いのだろうか?


という事で、Janetの新作(All for you)は前作との兼ね合いからあくまで明るくPOPだったが、まだここら辺に表現できるものを残している気がして、今後も期待させます。今回のアルバムの成功で、より世間に認められたと思うから、もう押しも押されぬ大御所でしょう。声も独自の方向性で頑張ってるし、何よりこの兄妹はめちゃくちゃ踊れるんだよなぁ。バックダンサーと同じ振り付けをなんなくこなすし、自分が踊りでスゲーと思うのはやっぱりマイケルとジャネットだから。腕を振るのにしたって、肩からじゃなくて背骨から始動する所が秀逸なんだよね、、ホント。まあマイケルの踊りは余りに男臭く無かったから、どっかで心配してたんだが、、、


個人的には昔のジャネットにも興味があるけど、大体予想はつくからなぁ、、自分の中でこれ以上掘り下げる為には、やっぱりジャクソン5を聴く必要があるとは思ってます。



Home